高松市議会 > 2020-09-14 >
09月14日-04号

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  1. 高松市議会 2020-09-14
    09月14日-04号


    取得元: 高松市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-22
    令和 2年第5回( 9月)定例会          ┌────────────────┐          │     令和2年9月     │          │第5回高松市議会(定例会)会議録│          │    9月14日(月曜日)    │          └────────────────┘     午前10時1分 開議 出席議員 39名  1番 杉 本 勝 利  2番 白 石 義 人  3番 小比賀 勝 博  4番 大 浦 澄 子  5番 山 下   誠  6番 大 見 昌 弘  7番 西 岡 章 夫  8番 鎌 田 基 志  9番 斉 藤   修  10番 坂 下 且 人  11番 井 上 孝 志  12番 中 村 順 一  13番 辻   正 彦  14番 橋 本 浩 之  15番 十 川 信 孝  16番 岡 下 勝 彦  17番 住 谷 篤 志  18番 田 井 久留美  19番 神 内 茂 樹  20番 三 笠 輝 彦  21番 北 谷 悌 邦  22番 大 西   智  23番 佐 藤 好 邦  24番 妻 鹿 常 男  25番 天 雲 千恵美  26番 中 西 俊 介  27番 藤 原 正 雄  29番 中 村 秀 三  30番 造 田 正 彦  31番 中 村 伸 一  32番 竹 内 俊 彦  33番 富 野 和 憲  34番 植 田 真 紀  35番 春 田 敬 司  36番 大 山 高 子  37番 太 田 安由美  38番 藤 沢 やよい  39番 岡 田 まなみ  40番 吉 峰 幸 夫  ──────────────── 欠席議員 1名  28番 香 川 洋 二  ──────────────── 議会事務局出席者  事務局長     多 田 雄 治  事務局次長総務調査課長事務取扱           西 川 宏 行  議事課長     谷 本 新 吾  議事課長補佐   十 河 知 史  議事係長     田 中 勝 博  議事課主査    川 原 大 征  ──────────────── 説明のため会議に出席した者  市長       大 西 秀 人  副市長      加 藤 昭 彦  副市長      田 村 真 一  教育長      藤 本 泰 雄  市民政策局長   佐々木 和 也  総務局長     網 本 哲 郎  財政局長     森 田 大 介  健康福祉局長   上 枝 直 樹  環境局長     森 田 素 子  創造都市推進局長 長 井 一 喜  都市整備局長   木 村 重 之  消防局長     辻 本 哲 彦  病院局長     石 原 徳 二  教育局長     赤 松 雅 子  市民政策局次長  田 中 照 敏  総務局次長事務取扱小 澤 孝 洋  財政局次長    外 村 稔 哉  健康福祉局次長  河 野 佳 代  環境局次長    宮 崎 正 義  産業経済部長   石 川 恵 市  都市整備局次長  板 東 和 彦  消防局次長    福 山 和 男  病院局次長    青 木 清 安  教育局次長    中 谷 厚 之  秘書課長     松 本 竜太朗  総務課長     楠 原 昌 能  財政課長事務取扱 楠   康 弘  ──────────────── 議事日程 第4号日程第1 一般質問  ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1 一般質問  ──────────────── ○議長(井上孝志君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付してあるとおりでございます。  ─────~~~~~────── △日程第1 一般質問 ○議長(井上孝志君) 日程第1一般質問を行います。 順次、一問一答方式により、項目ごとの質問を許します。6番 大見昌弘君。  〔6番(大見昌弘君)登壇〕 ◆6番(大見昌弘君) おはようございます。 自由民主党議員会の大見昌弘でございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。一部、代表質問と重複する箇所がございますが、お許しをいただきたいと存じます。 今回、新型コロナウイルス関係の質問も多数あります。日々、新型コロナウイルス対策に御尽力いただいております市長をはじめ、関係職員の皆様方には、心より敬意を表しますとともに、心より感謝申し上げます。今後も御尽力いただきますよう、お願い申し上げます。 それでは、項目1の福祉についてお伺いいたします。 最初に、児童虐待についてお伺いいたします。 先日、本市におきまして虐待が疑われる事案が起こり、女児2名が車中に放置されて、熱中症で死亡するという事件が起こりました。子供たちが被害に遭うと、いつも身につまされる思いがします。心より哀悼の意を表します。 さて、児童虐待とは、身体的虐待・性的虐待・ネグレクト・心理的虐待などでありますが、児童虐待への対応につきましては、制度改革や関係機関の体制強化などにより、その充実が図られてきたところでございます。本市におきましても、子ども家庭総合支援拠点の設置など、体制強化が図られてきました。しかし、深刻な児童虐待は後を絶たず、本市における児童虐待に関する相談件数は、増加を続けており、依然として、社会全体で取り組むべき重要な課題であると考えます。虐待を受けている子供や、支援を必要としている家庭などを早期に発見し、適切な保護や支援をしていくことが重要であります。また、虐待をしている保護者へのカウンセリング更生プログラムなどの受講も必要ではないでしょうか。国は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、学校休業や外出自粛などを踏まえた児童虐待防止対策の推進を行っております。これらに対しては、要保護児童対策地域協議会において、関係機関が連携を強化することが重要ではないでしょうか。また、児童虐待の問題は、行政だけでは限界がありますので、地域や保護者と協力して進めていき、地域に子育てを助けてもらえる環境を構築していく必要があると考えます。 そこでお伺いいたします。 第1に、要保護児童対策地域協議会での関係機関との連携強化について。 第2に、SNSなどを活用した相談窓口の充実強化についてお聞かせください。 さて、近年、社会問題になっております児童虐待について、数年後には親になる世代に、恋愛や子育てについての教育ができていないと、いざ、親になったときに、子供との接し方が理解できないのは当然のことだと思います。また、虐待死で一番多いのは、ゼロ歳ゼロか月児です。その理由は、予期しない妊娠が多く、妊婦健診未受診や母子健康手帳未発行が、多いからだと言われております。 このような社会情勢の中、大阪市生野区で開始されました性・生教育が注目されております。数年後に親となる可能性のある世代に、教育現場で、デートDV・アンガーマネジメント・ライフスキル・子育てのやり方を伝え、発達段階に併せて、国語教育と性教育を、学年ごとに組み合わせていく教育方法である、生きる教育が進められています。子供たち誰一人、加害者にも被害者にもさせない取組であり、重要であると考えます。 そこでお伺いいたします。 本市の児童生徒に、大阪市の性・生教育を参考にした生きる教育を行う考えについてお聞かせください。 次に、高齢者福祉についてお伺いいたします。 全国的に少子・超高齢化社会が到来しています。住民の皆様方が、住み慣れた地域で人間らしい生活を送っていくために、福祉政策は必要不可欠で、重要な政策だと思います。 さて、今年度は、第7期高松市高齢者保健福祉計画の最終年度であり、次期、第8期高松市高齢者保健福祉計画の策定年度でもあります。本市におきましても、ニーズ調査として、高齢者の暮らしと介護のアンケートを実施し、調査結果の取りまとめも終了しているとお聞きいたしております。また、国は、介護保険事業の中に、感染症対策や災害対策を盛り込むよう決定いたしました。 そこでお伺いいたします。 第1に、第7期高松市高齢者保健福祉計画の進捗状況について。 第2に、高齢者の暮らしと介護についてのアンケート調査の結果についてお聞かせください。 介護保険制度は、2000年4月に創設され、今年で20年の節目を迎えましたが、2040年まで高齢者は増え続け、2040年には高齢者のうち、85歳以上の人が3割にもなると予想されております。その反面、生産年齢者が減少し、人口も減少すると言われております。将来的には、2040年を見据えていかなければなりません。 そのような社会情勢の中、在宅医療・介護事業を推進していくためには、医療部門と介護部門の連携は非常に重要であると考えます。また、医師や歯科医師・理学療法士・ケアマネジャーなど、関係多職種の皆様方が連携していかなければ制度が成り立っていきません。 本市におきましては、高松市在宅医療介護連携推進会議を中心に推進しているとお聞きいたしており、昨年7月に医療介護連携ミーティングを開催して検討されたそうですが、その後の状況はどのようになっているのでしょうか。 また、重度介護者をはじめとした要介護高齢者の在宅ケアを推進していくためには、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護の定期的な巡回とオンコールによる、随時の対応が可能な定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、有効かつ重要なサービスであり、市内に19ある各日常生活圏域で利用できるよう整備・普及させる必要があると考えます。 そこでお伺いいたします。 第1に、在宅医療・介護連携推進事業の取組状況について。 第2に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の整備状況についてお聞かせください。 近年、老人施設が多様化しており、様々な民間企業が参入して、様々なサービスが提供されております。そのために、民間企業は、採算の取れない事業からは早急に撤退いたします。そうなると、困窮するのは利用者である高齢者の皆様方であります。特に、サービス付き高齢者向け住宅などは、様々な業種が参入し、建設数も増加しており、提供するサービスも多様化して、施設間格差が発生しているとお聞きいたしております。このような状況から、指導監査の意義や重要性が高まっていると考えます。 そこでお伺いいたします。 本市のサービス付き高齢者向け住宅などにおける指導監査の状況についてお聞かせください。 平成23年から本市で実施されております、たかまつ安心キットについてお伺いいたします。 これは、災害時や具合が悪くなったときに、異常を発見した人たちが早急な処置ができるように、かかりつけ医療機関などの医療情報や緊急時の連絡先などを記入した用紙を専用の容器に入れ、決められた場所──冷蔵庫に保管しておく制度です。高齢者のためのあんしんガイドブックなどで広く周知されており、各地区コミュニティセンターなどでも配布されているようではありますが、認知度は低いようにお聞きいたしております。本市は、ICTによる情報管理を進めておりますが、高齢者の皆様方にとりましては、昔ながらの紙ベースのほうが分かりやすい事例もございます。そのため、ICT化を進める一方、アナログな紙ベースの分かりやすい方法も残していくべきではないでしょうか。 そこでお伺いいたします。 たかまつ安心キットのさらなる活用についてお聞かせください。 以上で項目1の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの6番議員の一般質問の項目1に対する当局の答弁を求めます。健康福祉局長 上枝直樹君。 ◎健康福祉局長(上枝直樹君) 6番大見議員の御質問にお答え申し上げます。 福祉のうち、児童虐待に関し、要保護児童対策地域協議会での関係機関との連携強化についてでございますが、本市におきましては、児童福祉法に基づく要保護児童対策地域協議会として高松市児童対策協議会を設置し、香川県こども女性相談センターをはじめとする34の関係機関等の緊密な連携の下に、児童虐待の早期発見や要保護児童の適切な保護に努めております。 この協議会では、カウンセリングが必要な保護者に対して、本市での心理的側面からのケアに加え、重篤なケースでは、香川県こども女性相談センターにおいて保護者カウンセリングを実施しておりますほか、このたびの新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、国が示した子どもの見守り強化アクションプランの実施に際しましても、本協議会で把握している支援対象児童等に対し、教員や保育士等が定期的な状況把握を行うなど、連携した取組に努めてまいったところでございます。 今後におきましても、本協議会を構成する団体はもとより、その他の様々な関係機関との連携強化を図りながら、本協議会の適切な運営に努め、児童虐待防止対策に、鋭意、取り組んでまいりたいと存じます。 次に、SNSなどを活用した相談窓口の充実強化についてでございますが、本市では、就業時間内を基本とした電話や来所、家庭訪問などによる相談のほか、24時間での受付が可能なメールでの相談にも対応しているところでございます。 また、就業時間外においては、香川県こども女性相談センターや、国の児童相談所虐待対応ダイヤル189──いちはやくを利用するよう周知しているところでございます。 しかしながら、このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛期間中には、面談による相談対応を控えざるを得ず、適切な支援につなげられないことが懸念されましたことから、直接面談の代替として、タブレット等によるリモートでの相談対応が行えるよう、補正予算議案を、今議会に提出しているところでございます。 御提言のSNSの活用につきましては、子供や保護者の悩みをいち早くキャッチする上で、一定の効果があるものと存じておりますが、他の中核市の導入事例も少なく、相談体制の構築に十分な検討を要しますことから、まずは、先ほどのリモートによる相談窓口の充実強化に努める中で、今後、他市の動向を注視しながら、SNSによる相談体制の在り方について調査・研究してまいりたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 教育長 藤本泰雄君。 ◎教育長(藤本泰雄君) 本市の児童生徒に、大阪市の性・生教育を参考にした生きる教育を行う考えについてであります。 生きる教育の事例として御紹介をいただきました、大阪市生野区の性・生教育につきましては、自分の思いを言葉にし、伝える力を磨く国語教育と、例えば、恋愛や結婚に関するより実践的なテーマを取り入れた、命や体を大切にする性教育を柱としたプログラムであると存じております。 本市の小中学校では、保健体育科で性に関する適切な態度や行動の選択が必要となることを理解する学習に取り組むとともに、国語科で、他者の気持ちを想像することや、言葉で思いを伝え合うことを学んでいるところでございます。 さらに、家庭科においては、乳幼児の観察や触れ合い体験等を通して関わり方を考えるなど、各教科はもとより、特別活動の時間や道徳科等においても、各学校の児童生徒の実態に応じて適切な指導に取り組んでいるところでございます。 教育委員会といたしましては、今後とも、児童生徒の発達段階や、一人一人の特性等を考慮して、子供たちの豊かな心と体を育てる教育の充実に努めるとともに、大阪市で展開されている性・生教育も参考として、命を大切にする生きる教育の推進に取り組んでまいりたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 健康福祉局長 上枝直樹君。 ◎健康福祉局長(上枝直樹君) 高齢者福祉のうち、第7期高松市高齢者保健福祉計画の進捗状況についてでございますが、国は、平成27年度からの第6期以降の高齢者保健福祉計画地域包括ケア計画と位置づけ、団塊の世代が、全て75歳以上となる、2025年までの各計画期間を通じて、地域包括ケアシステムを、段階的に構築することとしているところでございます。 本市におきましては、平成30年度から今年度末までを計画期間といたします、第7期計画におきまして、地域包括ケアシステム構築に対する市民満足度や、介護・支援を必要としていない65歳以上の高齢者を表す自立高齢者率などを計画全体の成果指標に掲げております。 この指標の令和元年度末の実績は、地域包括ケアシステム構築に対する市民満足度が25.4%で、目標値と比較しますと0.4ポイント高く、また、自立高齢者率は、目標値と同等でございました。 また、計画に対する包括的な支援体制の構築など、三つの重点課題に関連する事業の進捗状況をまとめましたところ、いずれも、目標値に対して達成率が80%を超える事業が、7割以上となるなど、順調に進捗しているところでございます。 次に、高齢者の暮らしと介護についてのアンケート調査の結果についてでございますが、この調査は、計画策定における基礎調査として、生活や介護についての実態を把握するもので、市民6,800人を対象に実施し、回収率は55.3%でございました。 この調査では、住まいと介護サービスの利用について、3割を超える高齢者が在宅での介護サービスを利用して、できる限り現在の住まいや地域に住み続けたいと回答している一方で、約2割の高齢者は、ケア付き住宅への住み替えや、施設への入所を希望している結果となりました。 また、地域包括ケアシステムの推進に関しましては、多くの方が、家族や親族の理解と協力、自宅近くの介護支援事業所の充実が重要との回答を得たところでございます。 今後は、この調査結果を十分に検証する中で、今年度末に策定予定の第8期計画に反映させ、実効性のある計画にしてまいりたいと存じます。 次に、在宅医療・介護連携推進事業の取組状況についてでございますが、本市では、高松市在宅医療介護連携推進会議を中心に、国の示す医療・介護関係の情報共有の支援など、八つの項目に取り組むほか、長寿福祉課内に設置しております高松市在宅医療支援センターにおいて、在宅医療等の相談に対応しているところでございます。 また、昨年11月に、医師・医療ソーシャルワーカー・介護支援専門員など、医療と介護に関する多職種が参加した医療介護連携ミーティングにおいて、入退院時に迅速に情報共有するため、入退院支援ルールの具体的運用について意見交換し、切れ目ない支援が実現できるよう検討を進めておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年度末の研修会等の開催を中止したところでございます。 今年度は、感染症予防対策を講じた上で、先ほどの入退院支援ルールの具体的運用の検討を引き続き行う予定としているほか、在宅医療コーディネーターの養成や、多職種連携の研修会等をリモートで開催するなど、コロナ禍に対応した手法により、事業を実施する予定でございます。 今後におきましても、市民が、住み慣れた地域で安心して自分らしい生活を継続していけるよう、在宅医療と介護の連携推進に、一層、取り組んでまいりたいと存じます。 次に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の整備状況についてでございますが、本市におきしましては、当該サービスをはじめとする、介護保険サービスにつきましては、高齢者保健福祉計画に基づき、計画的に整備を行っているところでございます。 当該サービス事業所につきましては、昨年度末時点において、市内に3事業所ございまして、第7期高齢者保健福祉計画において2事業所を整備することとしており、うち1事業所は、今年度、既に指定を行っておりますことから、現時点では、市内に4事業所となったところでございます。 また、残りの1事業所につきましても、今年度末までには、指定する予定としておりまして、計画どおりの進捗が図れる見込みでございます。 今後におきましても、今年度末に策定予定の第8期計画において、住み慣れた地域で身近な事業所によるきめ細かなサービスを適切に提供できる体制を整備できるよう、十分な検討を行ってまいりたいと存じます。 次に、サービス付き高齢者向け住宅などにおける指導監査の状況についてでございますが、本市におきましては、様々な民間事業者が、サービス付き高齢者向け住宅等の運営に参入をしており、提供するサービスに格差が生じることが懸念され、指導監査の重要性が高まっているものと存じます。 本市のサービス付き高齢者向け住宅及び有料老人ホームへの指導監査は、施設における人員配置や設備基準の適合性、緊急時の対応等について、帳簿等の検査、関係者への聞き取り等により、2年に1回程度、実施しているところでございます。 また、法定基準等を超えた施設独自のサービスにつきましては、施設間の格差が生じることもございますが、基準内のサービスにつきましては、格差がなく適正に提供されることが求められますことから、指導監査を実施する中で、改善を要する事項があった場合は、文書で通知し、施設から改善の状況報告を求めるなど、厳正かつ適切な遂行に努めているところでございます。 現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、指導監査の実施を見合わせておりますが、再開後におきましても、施設等の透明性や健全性を高めることにより、入居者が安心して生活できるよう、適正な指導監査に努めてまいりたいと存じます。 次に、たかまつ安心キットのさらなる活用についてでございますが、本市におきましては、本事業を平成23年度から開始し、現在、約8,000人の方に御利用いただいているところでございます。 しかしながら、事業開始から一定期間が経過し、事業の認知度が低下してきていることもあり、利用者数はここ数年、横ばいの状況でございます。 御質問にもございましたように、たかまつ安心キットは、高齢者が、災害時や急病に備えるものとして、非常に簡便で分かりやすく、有用性が高いものと存じます。 このようなことから、本市ホームページをはじめ、各種広報媒体を活用した周知・啓発のほか、避難行動要支援者名簿の新規登録対象者にお送りする申請書に、たかまつ安心キットのチラシを同封するなど、本事業のさらなる周知・啓発に努めてまいりたいと存じます。 また、既に御利用いただいている方に対しましては、容器に格納している御自身の情報を、常に最新の状態に保っていただけるよう、民生委員・児童委員などの御協力も得ながら、地域での声かけに努めるなど、たかまつ安心キットの効果的な活用に向け、鋭意、取り組んでまいりたいと存じます。 項目1の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、次に、項目2について発言を許します。 ◆6番(大見昌弘君) 次に、項目2の防災についてお伺いいたします。 本市は、昨年、県が公表した1,000年に1回程度の降雨量を上回る降雨による、洪水浸水想定区域に基づき作成した洪水ハザードマップを、本年6月に全戸配布いたしました。このハザードマップは、市内を流れる主要な4河川を対象に、浸水が想定されるエリアについて、浸水の深さに応じて4段階に色分けしたほか、土砂災害のおそれのある区域や指定避難所・指定緊急避難場所の住所・電話番号の一覧も、記載しております。今後、逃げ遅れをなくすために、地域の危険性を事前に把握することができる、洪水ハザードマップを効果的に活用し、市民の適切な避難行動を促す必要があると考えます。 そこでお伺いいたします。 洪水ハザードマップを効果的に活用し、市民の適切な避難行動を促すための取組についてお聞かせください。 本年7月豪雨では、熊本県球磨村の特別養護老人ホームで14人が犠牲になられました。これらを防ぐために、洪水被害が想定される洪水浸水想定区域内にある、福祉施設などの要配慮者利用施設に、作成が義務づけられている避難確保計画がありますが、県内の作成率は58%であり、本市においても、本年8月現在の作成率は68%にとどまっています。避難確保計画作成を、義務と認識してない施設や手つかずの施設もあるとお聞きいたしております。 そこでお伺いいたします。 洪水浸水想定区域内にある福祉施設など、要配慮者利用施設避難確保計画の作成率向上に向けて取り組む考えをお聞かせください。 大規模災害発災時に、避難所の働きは大変大きいものがあります。人間が生きていく上で必要な衣食住のうち、食と住があります。そのために、多くの人たちが集まってきます。避難して来る住民の皆様方の中には、食物アレルギーのある方もおられます。食物アレルギーのある方は、緊急時の非常食に、特別な配慮を必要とする災害弱者です。症状の重症度には個人差がありますが、食べる前に必ず原材料を確認する必要があります。被災時は、誰もが危機に面しており、食物アレルギーへの配慮が難しい状況になる場合もあります。本市の備蓄物資において、アレルギー対応の物資は、粉ミルクやアルファ米などがありますが、避難所での炊き出しは、災害弱者に配慮が足らない場合もあります。それらを防ぐために、地域の防災訓練の炊き出し訓練のときに、原材料の貼り出しを実施している自治体も見受けられます。日頃から、炊き出し時には、原材料を貼り出しておく習慣をつけることも、重要であると考えます。また、日頃から、アレルギーのある方には、自分たちで食料の備蓄をしておく、自助の働きかけも必要ではないでしょうか。 そこでお伺いいたします。 避難所における食物アレルギー対策についてお聞かせください。 また、県が豪雨などの大規模災害発災時における、新型コロナウイルス対策の避難所運営指針を新たに作成したことを受け、本市においても、消毒・換気の徹底や3密回避などを追加した、避難所運営マニュアル作成の手引を作成しました。今後は、このマニュアルを実効性のあるものにするために、まず、避難所運営を主体的に行う災害時指定職員に、熟知させる必要があると考えます。 そこでお伺いいたします。 災害時指定職員による、新型コロナウイルス感染症予防に配慮した避難所運営の実効性の確保についてお聞かせください。 政府は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、事業継続計画──BCPのガイドラインを見直す方針を固めました。御存じのように、BCPは、行政や企業が、自然災害やテロなどの緊急時に、企業活動の影響を最小限に抑えて、事業を早期に再開し、継続するための手順をまとめた計画でありますが、今までのBCPにおいて感染症の記載は、危機的な発生事象についても、早期の復旧が望まれるとの記載のみで、実質的な言及はありませんでした。BCPは、本市や企業でも策定いたしておりますが、中小企業の策定率は、まだまだ低いようであります。しかし、今回の件で、策定に向けて、関心は高まっているとお聞きいたしております。新しい勤務体系や新規対策備品などの保管のために、BCPの策定は、喫緊の課題ではないでしょうか。 そこでお伺いいたします。 感染症対策を加えた事業計画計画──BCPの策定支援を企業に行う考えについてお聞かせください。 新型コロナウイルス感染症につきましては、人々の行き来もあり、全国的に感染者が発生するなど、いまだ収束の見通しが立っていない状況にあります。本市では、今月においても感染者が確認されており、まだまだ気を緩めてはいけない状況にあります。本市、消防局におきましても、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を、緊急搬送するケースがありますが、感染防止の観点から、救急隊員も医療従事者と同じように、しっかりとした感染防止策を講じた上で、救急業務に当たる必要があります。消防局では、救急隊員にどのような感染防止策を取った上で救急患者の搬送を行っているのでしょうか。 また、消防職員が常駐していない本市島嶼部におきましては、現地の消防団員が救急患者搬送に協力しております。このような地元消防団員の感染防止策は、どのようになっているのでしょうか。 また、救急隊員をはじめ、消防職員は、しっかりとした感染防止策を取っても、感染リスクが高い環境下にあります。たとえ消防職員に感染者が発生しても、消防業務は、何としても継続していかなければなりません。 そこで、消防職員に感染者が発生した場合の消防局の業務継続計画──BCPはどのようになっているのでしょうか。 そこでお伺いいたします。 本市、消防局の新型コロナウイルスに対する感染防止策と業務継続計画──BCPについてお聞かせください。 以上で項目2の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの項目2に対する当局の答弁を求めます。総務局長 網本哲郎君。 ◎総務局長(網本哲郎君) 防災のうち、洪水ハザードマップを効果的に活用し、市民の適切な避難行動を促すための取組についてでございますが、本市におきましては、新たに想定し得る最大規模の降雨を前提とした、香東川など4河川の洪水ハザードマップを作成し、去る6月から、市内全世帯へ配布したところでございます。 このハザードマップを効果的に活用し、市民の適切な避難行動を促すため、洪水浸水想定区域や浸水深などに加えて、取るべき避難行動を御自身で確認できるよう、避難行動フローや避難情報のポイントなども併せて掲載しております。 このようなことから、今後とも、ハザードマップを活用した適切な避難行動について、地域の防災訓練や市政出前ふれあいトーク・防災講演会など、様々な機会を捉えて市民に対し周知してまいりたいと存じます。 次に、洪水浸水想定区域内にある福祉施設など要配慮者利用施設避難確保計画の作成率向上に向けて取り組む考えについてでございますが、本市におきましては、本年8月末現在で、洪水浸水想定区域に所在し、避難確保計画の作成義務のある、社会福祉施設・学校などのいわゆる要配慮者利用施設は512施設でございまして、そのうち、計画作成が完了しているのは、約68%の348施設でございます。 本市といたしましては、要配慮者利用施設の利用者の、円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、計画作成は重要であると存じますことから、ホームページにおいて、計画の作成を促すとともに、本年1月には、県や高松地方気象台の協力を得て、計画未作成の施設を対象に、計画作成講習会を3日間にわたり、開催したところでございます。 また、既に各施設において作成している消防計画等へ追記することにより、計画を作成することもできますことから、消防法令に基づく立入検査の際に、未作成施設に対し、計画作成を依頼するなど、今後とも、全ての要配慮者利用施設における避難確保計画の作成に向け、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、避難所における食物アレルギー対策についてでございますが、本市におきましては、大規模災害等発生時に、物資の流通が回復するまでの間の初期対応として、避難者に対し、迅速に食料の供給を図るため、高松市災害時緊急物資備蓄計画に基づく食料のうち、アルファ米、粉ミルクにつきましては、食物アレルギー対応の物を備蓄しているところでございます。 また、食物アレルギーがある方の誤食を防止するため、避難所運営マニュアルの作成の手引に基づき、避難所入所時には、世帯単位の避難者カードに、食物アレルギーの有無について、記載していただくことにより、食物アレルギー対象者を把握するとともに、避難所で食事を提供する際には、原材料表示を行うことといたしております。 さらに、大規模災害に備え、市民に対してお願いしている食料の備蓄につきまして、御提言にもございますように、食物アレルギーがある方も同様に、御自分の食物アレルギーに対応した食料を備蓄することは、非常に重要であると存じております。 このようなことから、食物アレルギーのある方の食料備蓄につきまして、ホームページをはじめ、市政出前ふれあいトーク、各地域の防災訓練を通じて、周知啓発を行うなど、食物アレルギーのある避難者が、安心して生活できるような環境づくりに努めてまいりたいと存じます。 次に、災害時指定職員による、新型コロナウイルス感染症予防に配慮した避難所運営の実効性の確保についてでございますが、本市におきましては、指定避難所の運営に関する災害時指定職員対応マニュアルにおいて、新型コロナウイルス感染症対策に対する対応を追記し、去る6月に374人全ての災害時指定職員を対象に、避難所開設に関する研修会を開催いたしました。 また、県が新たに作成した避難所における新型コロナウイルス感染症対策指針を受け、避難所における具体的な対応手順等を定めた、本市の避難所運営マニュアル作成の手引(新型コロナウイルス感染症対策編)について、地域コミュニティ協議会や災害時指定職員に周知するとともに、災害時指定職員に対しましては、具体的で実践的な対応が習得できるよう、内閣府が作成した動画、新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所運営のポイントを視聴させたところでございます。 さらには、今後、各地域におきましても、新型コロナウイルス感染症予防対策を取り入れた避難所運営訓練が行われると伺っておりまして、この訓練に、災害時指定職員が積極的に参加することなどにより、新型コロナウイルス感染症予防に配慮した避難所運営の実効性のさらなる確保に努めてまいりたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 市長 大西秀人君。 ◎市長(大西秀人君) 感染症対策を加えた事業継続計画──BCPの策定支援を企業に行う考えについてであります。 感染症の発生時におきまして、それに対応しながら企業が事業活動を継続する、または、早期の事業再開を目指すためには、事前の備えとして、感染症対策を加えたBCPを策定しておくことが、有効であるものと存じます。 国では、今後、感染拡大時に中小企業が取り組むべき対応をまとめた、新型ウイルス感染症ハンドブックや、感染症対策を盛り込んだ事業継続力強化計画の策定の手引を作成するほか、知見を有する専門家を、対策を検討する中小企業者等に無料で派遣するなど、感染症対策を加えたBCP策定のための支援策を強化する予定であると伺っております。 本市といたしましては、今後、事業者の皆様に、こうした国の支援策の活用を促してまいりたいと存じます。 あわせて、高松商工会議所等関係機関と連携して開催するセミナーや、たかまつ労政だよりなどにより、コロナ禍を契機として関心が高まっている感染症対策を含めた自然災害などに備えるBCP策定の必要性について、積極的に情報提供を行うことにより、それを促進してまいりたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 消防局長 辻本哲彦君。 ◎消防局長(辻本哲彦君) 消防局の新型コロナウイルスに対する感染防止策についてでございますが、消防局では、救急要請の段階から、発熱や呼吸器症状の有無等、傷病者の健康状態のほか、行動歴を聞き取るなど、事前の情報把握に努めるとともに、救急隊員は、N95マスクやゴーグル、感染防止衣等の感染防護具を着装して、全ての救急事案に対応しているところでございます。 また、少しでも感染の疑いがある傷病者を搬送した際には、その都度、救急車内の消毒を行うなど、徹底した感染防止策を講じているところでございます。 さらに、本市島嶼部の女木町・男木町において、現地で救急搬送に御協力をいただいております消防分団に、救急団員と同様の感染防護具等を配置するなど、地元消防団員につきましても、感染防止策を講じているところでございます。 また、業務継続計画──BCPについてでございますが、消防局では、平成21年に策定した新型インフルエンザ対策業務継続計画を基本として、国のガイドライン等を参考にしながら、感染防止資器材の確保に努めるとともに、職場内での感染防止対策の徹底を図っているところでございます。 さらに、消防局内の感染者の発生等により、勤務可能な職員数が減少した場合にも、消防業務が維持・継続できるよう、具体的な人員計画を定めるとともに、最優先業務に従事する救急隊員や、119番通報を担当する指令管制員の応援職員を確保するなど、業務継続体制の強化を図ったところでございます。 消防局では、これまで感染者は確認されておりませんが、引き続き、感染防止対策の徹底を図りながら、業務継続に万全を期してまいりたいと存じます。 項目2の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、次に、項目3について発言を許します。
    ◆6番(大見昌弘君) 最後に、項目3の行政についてお伺いいたします。 本市では、令和2年4月1日現在において、3,883名の正規職員が勤務されております。職員皆様方は、一生懸命に働いて、行政サービスの提供に寄与されていますことには、心より敬意を表します。しかしながら、職員皆様方の中には、家族などの看病や介護など、家庭の事情により、急遽、一定期間、休暇を取得する必要があったり、時間外に勤務することが困難な状況にある方もおられます。そうした家族の看病や介護など、緊急の要件に対応するため、本市には、家族看護休暇や介護休暇などの休暇制度が整備されておりますが、実態としては業務多忙などの理由により、休暇取得が困難なケースもあるとお伺いいたしております。 また、人事異動においても、家庭などの看病や介護に限らず、職員の家庭の事情について、できる限り配慮するべきものであると考えます。近年、働き方改革が叫ばれており、職員一人一人が、その力を十分に発揮していくために、職員皆様方のそれぞれの事情に応じた働き方改革を模索していく必要もあると考えます。 そこでお伺いいたします。 第1に、家庭の看病や介護などの家庭の事情に応じた、休暇制度を取りやすい職場環境づくりについて。 第2に、職員それぞれの事情を可能な限り考慮した人事異動についてお聞かせください。 以上で項目3の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの項目3に対する当局の答弁を求めます。総務局長 網本哲郎君。 ◎総務局長(網本哲郎君) 行政のうち、家族の看病や介護などの家庭の事情に応じた休暇制度を取りやすい職場環境づくりについてでございますが、本市では、仕事と家庭の両立を図るワーク・ライフ・バランスを推進するため、働き方改革として、長時間労働の是正や、休暇を取得しやすい職場環境づくりに取り組んでいるところでございます。 しかしながら、御指摘のとおり、一部の職場では、家族の看護や介護等の休暇が、業務多忙等の理由で取得しにくい状況が見受けられるところでございます。 このようなことから、引き続き、業務改善の一層の推進を図ることで、長時間労働を是正し、家族の看護や介護などの事情を持つ職員が、休暇を取得しやすい環境づくりに取り組むとともに、本年度中の導入を目指しておりますテレワークの積極的な活用を促すことで、家庭の事情を持つ職員が、安心して働ける職場づくりにも取り組んでまいりたいと存じます。 次に、職員それぞれの事情を可能な限り考慮した人事異動についてでございますが、職員の人事異動に当たっては、年1回の自己申告により、職員からの希望や家庭状況等を聴取し、本人の希望や能力・経験等を踏まえ、適材適所の観点から、人事異動を行っているところでございます。 今後におきましても、職員の希望や職員を取り巻く状況に可能な限り配慮した上で、職員一人一人がその能力を最大限発揮できるような人事異動となるよう努めてまいりたいと存じます。 項目3の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、以上で6番議員の一般質問は終わりました。 次に、36番議員の発言を許します。36番 大山高子君。  〔36番(大山高子君)登壇〕 ◆36番(大山高子君) こんにちは。 公明党議員会の大山高子でございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問させていただきます。 まず初めに、項目1、がん対策についてお伺いいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大が、がん対策にも影響を及ぼしています。検診や手術の休止・延期が相次ぎ、早期発見や治療の遅れも懸念をされています。 先月、報道によりますと、新型コロナ感染症の影響で、自治体が実施をするがん検診を受けた人が大幅に減っていることが日本対がん協会の調査で明らかになりました。対がん協会は、6月に全国42道府県の支部を対象にアンケートを行い、32支部から回答を得たその結果、去年の同時期に比べて、受診者は大幅に減少し、検診の中止や感染を懸念して、受診を控える人が増加をしたのが原因のようです。また、感染対策のため、受診をできる人数をどうしても減らさないといけないので、21支部が今年度の受診者は、3割以上減ると予測をされています。 東京大学医学部附属病院の中川准教授は、新型コロナは、未知のウイルスであり、慎重かつ適切に対策を講じることは当然である。ただ、国内では新型コロナで1,000人を超える方々が亡くなられている一方、がんによる死亡は年間約38万人で、2030年代後半までは、毎年増え続ける可能性が高い。新型コロナ対策だけではなく、がん対策もおろそかにしないことが、全体としての健康を守ることになると言われています。その上で、コロナ禍におけるがん対策の課題として、1、在宅勤務による生活習慣病の悪化、2、早期発見の遅れ、3、治療への影響が挙げられています。特に、早期発見の遅れは、がんは早期に発見できれば約9割が完治をするけれども、コロナ禍で検診を休止することで、受診できなかった間にがんが進行するおそれがあるとも言われています。 そこでまず、今年度の本市のコロナ禍の、がん検診の受診状況をどのように予測されていますでしょうか。 また、受診率を下げないための取組についてお伺いいたします。 本市は、特定健診について、昨年度より厚生労働省が推奨していますナッジ理論等を活用し、未受診者の特性別に勧奨通知の送付を行っています。その結果、昨年度は45.2%と前年度よりも2%ほど受診率が上がっています。ただ、今年度は、コロナの影響でどうなるかが、やはり心配です。 特定健診の対象者は、部位に違いはありますが、必ず、がん検診も対象になっています。ですから、特定健診を受ける際に、当たり前のようにがん検診も受診してもらえれば、がん検診の受診率は上がります。といいますのも、がん検診の受診率のほうが低い状況だからです。また、対象である市民にとっては、どうしても密になりやすい検診ですので、新型コロナ感染リスク軽減のため、病院へ行く回数と時間の短縮により、市民の負担も軽減できます。 そこで、特定健診とがん検診の同時受診ができるようにしてはいかがでしょうか。特に、本市では、今年度から特定健診の受診料が無料になっていますので、今後、受診率は、本来でしたら、さらに上がるのではないかと思われます。 そこで、全てのがん検診が可能とはなりませんが、セットにして個別に選ぶ必要がない、オプトアウト方式をできるものから推進し、導入してはと思います。実は、この方式も、厚労省が有効な施策の一つとして導入を推奨しています。 まずは、特定健診ができる病院とがん検診ができる病院のお知らせ一覧表を作成し、セットで受診できる病院を市民に分かりやすくお知らせすることから始めてはと思います。 そこで、特定健診とがん検診を、セットで受診できる体制を整えることについて、また、今後、ぜひ、ナッジ理論を活用し、個別に選ぶ必要がないオプトアウト方式を導入すべきと考えます。お考えをお聞かせください。 国立がんセンターによれば、2018年にがんで死亡した人は37万3,584人で、その中でも死亡者数及び死亡率の一番多い部位は肺で、男性が1位、女性が2位とのことです。2018年度受診率は、全国平均が16.5%で、本市は12.4%です。そして、5年の生存率は、病期1期で83.3%、2期では48.8%、3期では22.7%、4期では5.8%と肺がんの進行に伴い予後が悪くなることから、ほかのがん同様に、早期発見が重要ですので、肺がん検診の受診率向上は急務です。 厚生労働省は、令和2年度より国民健康保険被保険者の受診率を公表することにし、市町間の受診率の比較も正しくできるようになりました。また、保険者別の受診率では、職域のがん検診の受診率はもともと高く、国保の受診率は低くて、大きな課題となっています。つまり、国が掲げている受診率目標を達成するには、市町が実証するがん検診の受診率改善が大事です。 肺がん検診の受診形態は、集団健診と個別検診の二つのパターンがあります。かかりつけ医での検査受診が可能となるなど、受診の利便性が高まることから、今、個別検診を導入する自治体が増加をしています。 例えば、岸和田市は、個別検診導入前に約3,800人だった受診者が、個別検診導入後には約1万2,800人まで増えたとのことです。現在、本市の場合、集団健診のみとなっています。そこで、ぜひ、本市でも個別検診を導入すべきと考えます。もちろん、そのためには、越えなくてはいけない障害が多々あることは存じ上げています。特に、精度管理は一番重視をしないといけないことです。しかし、市民の命を守るためにも、ぜひ、導入への検討を進めるべきと考えます。 そこで、肺がん検診に個別検診を導入することについてお考えをお聞かせください。 私は、以前から、個別勧奨・再勧奨の必要性を訴えてきました。本市の場合、子宮頸がん検診は20代と30代、乳がん検診については40代と50代に再勧奨を行っています。しかし、厚生労働省は、新たなステージに入ったがん検診の総合支援事業において、胃がん・肺がん・大腸がん検診においても再勧奨を行うこととし、国が2分の1補助を行うと示しています。ただ、本市の場合、再勧奨するにも課題として、個別検診の場合、胃がんや大腸がんの実施期間は10月31日までと受診期間が短いため、再勧奨の期間が足りません。しかし、松山市や高知市では、胃がんは2月、大腸がんは3月まで実施をされています。本市のがん検診受診率の低さを鑑み、医師会との協議を行うことも必要ではないでしょうか。また、発想を変えて、単年度での再勧奨ではなく、2年をかけて昨年受診をされていない方に、もう一度再勧奨する方法も考えてはいかがでしょうか。 そこで、子宮頸がん・乳がんのみの再勧奨ではなく、胃がん・肺がん・大腸がんについても、再勧奨が実施できるように進めること、また、今回は特にコロナ禍の中でのがん検診の再勧奨はとても重要です。ナッジ理論を活用した、再勧奨を実施すべきと考えます。お考えをお聞かせください。 昭和35年から毎年9月をがん征圧月間と定めてから、今年で60年の歴史を刻みます。今年のスローガンは、いつ受ける、声かけしよう、がん検診です。1982年から死因の第1位のがん、市民の命を守るため、早期発見・早期治療の普及に全力で取り組んでいただきたいと思います。 以上で項目1の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの36番議員の一般質問の項目1に対する当局の答弁を求めます。市長 大西秀人君。 ◎市長(大西秀人君) 36番大山議員の御質問にお答え申し上げます。 がん対策のうち、今年度のコロナ禍での、がん検診受診状況の予測についてであります。 本市における各種がん検診につきましては、例年、7月1日から実施しておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、今年度は、医療機関での個別検診を、5日遅らせて開始したほか、胃がん・肺がん等の集団健診につきましても、約2か月遅らせて開始をしたところでございます。 このような中、胃がん集団健診につきましては、感染防止対策を講じる上で、1人受診するごとに、機器などの消毒が必要なことから、予約人数を制限して実施しておりますほか、医療機関での個別検診におきましては、御質問にもございましたように、感染を懸念して、受診を控える傾向が強まっているものと存じます。 さらに、秋から冬にかけて、感染症の拡大が懸念されており、検診を中止せざるを得ない状況になることも想定され、受診率がさらに低下するおそれもございますことから、これらのことを勘案いたしますと、現時点で、具体的な数値でお示しすることはできませんが、前年度に比べ、受診率は、一定程度下がるものと予測をいたしておるところでございます。 次に、受診率を下げないための取組についてであります。 新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、集団健診におきましては、先ほども申し上げましたように、人数の制限や機器などの消毒に加え、3密を回避できるような待機場所の確保などにより、安心して受診できる体制づくりに努めているところでございます。また、国の通知によりますと、新型コロナウイルス感染拡大による影響で、受診できなかった方への配慮として、検診期間の延期等の措置を取る場合は、別途、受診機会を設けることとなっておりますことから、今後、高松市医師会等と協議の上、未受診者を、次年度の対象者とすることなどについて検討する中で、受診率を下げないための取組を実施してまいりたいと存じます。 次に、特定健診とがん検診を、セットで受診できる体制を整える考えについてであります。 本市におきましては、がん検診の種別ごとに、対象者や送付する書類が異なりますことから、それぞれの検診に応じた対象者に対し、個別に受診券等を送付しているところでございます。 御質問にございますように、特定健診とがん検診を、セットで受診できる体制を整えることは、特定健診のみを受診されていた方にとりまして、利便性を向上させるだけでなく、受診意欲を高めるきっかけになるものと存じております。 一方で、制度設計の構築に、相当の時間を要しますとともに、システム改修や、受診券を同封するために必要となる財源の確保等の課題もございますことから、早期に導入することは困難かと存じますが、他市の取組も参考に、検討してまいりたいと存じます。 次に、ナッジ理論を活用し、個別に選ぶ必要がないオプトアウト方式を導入する考えについてであります。 ナッジ理論による受診勧奨は、検診を受けない方に、文書の文面や表示方法等を工夫することで、検診を受ける方向に導く手法でございまして、この理論を活用し、最初から検診を受けることを選択した書類を対象者に送付するオプトアウト方式を導入することは、受診に至るきっかけを提供する有益な取組であるものと存じます。 このようなことから、今後、特定健診とがん検診をセットで受診できる体制が整い次第、迅速にオプトアウト方式が導入できるよう、受診勧奨に係る書類の見直し等を行ってまいりたいと存じます。 また、御提案の、特定健診とがん検診をセットで受診できる、医療機関の一覧表を作成することにつきましては、検診項目等を、一目で確認ができるとともに、それぞれの検診を一度に、同一医療機関で受診していただくことで、新型コロナウイルス感染リスクの軽減が図られるものと存じております。 このようなことから、今後、高松市医師会等の関係者と十分に協議を行い、医療機関の一覧表の作成に向け、検討を進めてまいりたいと存じます。 次に、肺がん検診に個別検診を導入する考えについてであります。 本市で実施しております、がん検診は、国が定めた、がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針に基づき実施しているところでございます。 この指針によりますと、肺がん検診で撮影された胸部エックス線写真は、2名以上の医師による肺がんの有無を確認する、いわゆる二重読影が必須となっており、さらに、読影を行う医師のうち1名は、十分な経験を有することが必要であることや、その読影の結果により、過去に撮影した胸部エックス線写真と比較読影することなど、適切な方法及び精度管理の下で実施することが求められております。 御提案の、肺がん検診に個別検診を導入することは、受診者の都合で受診日を予約することが可能となるなど、利便性が高まることで、受診率の向上につながるものと存じます。しかしながら、これまでの高松市医師会との協議の中で、読影を行う十分な経験を有する医師が不足していることや、二重読影や比較読影を行うための一元的な体制を整えることが困難であることなどの事由により、肺がん検診の個別検診は実施していない状況でございます。 さらに、導入に必要な財源確保などの課題もございますことから、現在のところ、個別検診を早期に導入する考えはございませんが、他の自治体の状況を見極めながら、今後の肺がん検診の実施体制や、その在り方について、高松市医師会等の関係者と協議をしてまいりたいと存じます。 次に、子宮頸がん・乳がんのみの再勧奨ではなく、胃がん・肺がん・大腸がんについても、再勧奨を実施する考えについてであります。 本市におきましては、これまで、子宮頸がん検診につきましては、無料クーポン券の対象者や、20歳代と30歳代の未受診者を、また、乳がん検診につきましては、無料クーポン券の対象者や、40歳代と50歳代の未受診者を、それぞれ対象として、再勧奨を行ってきたところでございます。 御質問にございますように、胃がん・大腸がんの個別検診への再勧奨につきましては、インフルエンザの予防接種に要する期間を除いた、7月から10月までと短期間でございまして、検診期間内に未受診者を把握し、再勧奨後の受診を促すことは、困難な状況でございます。 また、肺がん集団健診につきましても、検診期間が短いことに加え、100回を超えて実施をしており、対象者がどこで受診されるのかつかめないため、検診期間終了時でなければ、未受診者を把握することができない現状を踏まえますと、再勧奨の実施は厳しい状況でございます。 これらのことから、現在のところ、全てのがん検診に対する再勧奨を行うことは困難であるものと存じておりますが、今後、高松市医師会等の関係者と協議をする中で、検診期間の延長や、現行の検診期間外に受診できるよう、各医療機関に対し、要望をしてまいりたいと存じます。 次に、ナッジ議論を活用した、再勧奨を実施する考えについてであります。 本市におきましては、現在、子宮頸がん及び乳がん検診への再勧奨を実施しており、その方法といたしまして、圧着はがきを使用しているところでございます。 再勧奨の内容は、受診行動につながるよう、具体的に、イラストで分かりやすく記載するほか、はがきが到着後、予約できる医療機関を明記するなど、ナッジ理論に基づいた案内を実施しているところでございまして、一定程度、受診率の向上にもつながるなど、少しずつ効果が現れてきているところでございます。 今後におきましても、引き続き、ナッジ理論を活用した取組を実施していくとともに、各種がん検診の再勧奨につきましても、がんの早期発見・早期治療により、がんによる死亡率の減少につなげることが、何よりも重要と存じますことから、受診を促すために必要な情報や、その年代の人に響くメッセージを分かりやすく伝えるなど、再勧奨の在り方について検討してまいりたいと存じます。 項目1の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、次に、項目2について発言を許します。 ◆36番(大山高子君) では次に、項目2、独り親支援についてお伺いいたします。 コロナ禍は、国民生活そのものに深刻な影響を与え、とりわけ非正規雇用者が多い、低所得層が休業要請などで深刻な打撃を被っています。独り親の母子世帯の場合、特に非正規雇用が多いことから大きな影響を受け、子供の貧困率も悪化をしているおそれがあります。 私は、先月、同僚議員と一緒に、香川ぼしふしの会の代表の方と関係者の方とで、コロナ禍での独り親の方々の状況など、また、国や市が実施をした独り親支援策について意見交換を行いました。 まず、国のひとり親世帯臨時特別給付金については、このお知らせの文章表現が難し過ぎることや、文字ばかりで理解しにくく、また、記載情報不足で、再度の訪問を余儀なくされたことなどのお声がありました。そして、お問合せ窓口の時間帯が、本市は平日の8時半から17時15分となっていて、電話をかけるのが難しいという意見も出されました。 高松市の児童扶養手当資格者の状況は、10代から30代が約半分弱おられます。その年代から想像すると、子供の年齢もまだ小さくて手がかかり、親のほうも非正規雇用の方が多く、生活に疲れていることが容易に想像できます。 今回の独り親世帯への特別給付金は、今のところ今回のみでございますが、今後のお知らせや毎年の現況届の対応として、分かりやすい文章表現にしたり、日曜日の開庁や平日の開庁時間を延長するなど、対象者の環境等を想像した配慮が必要ではないでしょうか。 本市では、3月下旬から4月上旬の2週間、転入・転出時期のため、各種申請手続を行う市民の方々の利便性を図るため、混雑する担当部署では開庁時間を19時まで延長し、日曜日も2回開けています。こども家庭課もこの取組を行っているわけですが、本来、こども家庭課では、8月の現況届を提出される人のほうがもっと多いのではないでしょうか。大事なのは、想像力だと思います。 そこで、独り親家庭の環境等に配慮し、8月の開庁時間の延長など、今後の対応についてお聞かせください。 若い親御さんたちの多くは、長い文章が苦手なようです。また、忙しくて、市から届いた封筒も開封せずに置いたままになることもあるそうです。今回、1日違いでひとり親世帯臨時特別定額給付金の封書が、現況届のお知らせの翌日に届きましたが、これは見ない方もいると言われました。そして、広報紙も、若いお母さん方は読まない方も多いとのことです。そのため、必要な情報が十分に届いていない実態が浮かび上がります。 そこで、その対応策として、若者が使っているSNSをもっと活用すべきだと思います。もちろん、内容も長々文章を連ねるのではなく、分かりやすく、短い表現で配信することも大事です。また、必ず1年に1回は、現況届でこども家庭課や総合センターへ行かなくてはいけませんので、その機会を逃さず、LINE登録を行っていただくよう推進し、現在、相談も電話やメールで行っていますが、SNSでもできるようにしてはと思います。 私は、先月末に、もう一人、独り親の方とお会いし、お話を伺いました。その方は、これまで9回現況届のために市役所に来られましたが、一度も、たかまつひとり親家庭サポートブックをいただいたことはなく、また、LINE登録のお話を伺ったこともなかったそうです。いつも現況届の確認などでやり取りをし、大勢の方が待っていることもあり、机上にあるチラシに目もくれることもなかったと言われました。そこで、私から直接お渡しすると、大変喜んでいただき、たかまつホッとLINEに必ず登録しますと言われました。 現況届の窓口では、このサポートブックや、たかまつホッとLINEの登録のことをお伝えしていますと言われますが、現状は、この方のように完全ではありません。全ての方々に情報が届くような仕組みをつくらなくてはいけないのではないでしょうか。 そこで、若い世代に配慮し、SNSを活用した相談や、全ての方々に届くように、情報発信に取り組むことについてお考えをお聞かせください。 次に、子供のための養育費を離婚相手から受け取れないために貧困に陥る、独り親世帯が少なくありません。厚生労働省の2016年度全国ひとり親世帯等調査結果では、養育費の取決めをしている割合は、母子世帯で42.9%、父子世帯で20.8%となっています。子供の生活と安定を経済的にサポートするための教育費は、親としての責任です。離婚の際には、夫婦が協議で定めるべき事項の一つとして、民法に養育費が明示されています。しかし、現実は、逃げ得と言われる不履行が横行しており、父子世帯に比べて、収入水準が低い母子世帯にとり、これが貧困の大きな要因となっています。では、なぜ、養育費の取決めがされないのか、そして、どうすれば取決めが守られるのかを考えなくてはいけません。調査によると、養育費の取決めをしない理由で一番多かったのが、相手と関わりたくないが31.4%、次に、相手に支払う能力がないと思ったが20.8%でした。母子世帯を支援する団体からは、離婚に伴う生活の激変期に当たり、経済的にも時間的にも余裕がなく、養育費の取決めまではハードルが高いと指摘しています。 県においても、第4期香川県ひとり親家庭等自立促進計画を策定するため、2018年8月に香川県ひとり親世帯等実態調査を実施しました。その中で、養育費に関して、母子世帯は、取決めをしていないし、一度も支払われていないが47.4%、父子世帯でも67.8%との結果となっていました。 本市では、養育費の確保に関する支援として、市民課に離婚届が提出されたとき、法務局から依頼のあった子どもの養育に関する合意書作成の手引の配布とアンケート調査を行っています。また、当事者から相談があれば、無料法律相談の案内などを行うこととしています。また、自立支援員が配置をされ、様々な相談を受けられる体制を整えているとのことです。しかし、県の調査では、養育費の取決めの相談相手は、家庭裁判所が最も多く38.5%、次いで、弁護士が34.3%となり、母子自立支援員は2.3%でした。体制を整えているとのことですが、知名度は低いのではないでしょうか。 明石市では、養育費を受け取るべき市内在住の全ての子供を支援するため、離婚等における子供の養育支援事業の一環として、市が養育費の債務名義を取得するための手続支援と費用補助を行う養育費取り決めサポート事業を始めました。具体的には、1、調停申立てなど、債務名義取得手続についてアドバイスを行うこと、2、調停申立てや公正証書作成に係る費用の助成を行います。費用補助については、既に他の自治体でも実施をされていて、生活の厳しい独り親にとって、先に進める大事な事業です。また、手続の仕方、アドバイスを丁寧に行うことは、とても重要です。 今の独り親世帯の方々の現状を考えると、ぜひ、本市でもこのように手続の仕方を丁寧にアドバイスすることや費用補助を行うことが必要ではないかと考えます。養育費確保は、子供の権利という視点に立ち、未来を担う子供たちを守るために取り組んでいくことが重要であると考えます。 そこで、養育費の不払い対策として、丁寧なアドバイスや費用補助を行うなど、今後の対応についてお考えをお聞かせください。 以上で項目2の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの項目2に対する当局の答弁を求めます。健康福祉局長 上枝直樹君。 ◎健康福祉局長(上枝直樹君) 独り親支援のうち、独り親家庭の環境等に配慮し、8月の開庁時間の延長など、今後の対応についてでございますが、児童扶養手当の現況届につきましては、毎年8月の1か月間と期間を設定をし、独り親の皆様に御来庁いただき、その提出をお願いしているところでございます。 御質問の開庁時間の延長につきましては、働く独り親の皆様方の利便性向上という点からも、非常に有効であると存じておりますことから、来年度からの児童扶養手当の現況届提出に際しましては、期日を設定し、夜間開庁の実施に向けて、検討を進めてまいりたいと存じます。 次に、若い世代に配慮し、SNSを活用した相談や、全ての方々に届くように情報発信に取り組む考えについてでございますが、多くの子育て世代の独り親の皆様が、日常生活のコミュニケーションツールとして、SNSを使用しており、その中でも、特に利用者の多いLINEを活用し、各種相談を行うことは、効果的であるものと存じます。 しかしながら、LINEメッセージが届いた際、迅速に返信ができない場合などは、かえって相談者の不安を増大させるだけでなく、相談が殺到した場合の対応など、その運用を開始するに当たっては、慎重な検討を要しますことから、現時点での導入は、困難と存じておりまして、今後、他都市の事例も参考に、調査・研究してまいりたいと存じます。 また、SNSによる情報発信につきましては、御質問にもありますように、本市のたかまつホッとLINEを活用し、独り親の皆様に対して、各種相談や補助制度の御案内、また、たかまつひとり親家庭サポートブックの配布などをお知らせすることは、大変、有効であると存じております。 このようなことから、離婚届や児童扶養手当現況届の提出時にお渡しするチラシのほか、関係課窓口や広報高松などにおいて、たかまつホッとLINEを御案内することで、より多くの方々に友達登録をしていただくとともに、本市からの発信内容につきましても、これまで以上に充実させるなど、独り親の皆様に、様々な支援制度を利用していただけるよう、鋭意、取り組んでまいりたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 市長 大西秀人君。 ◎市長(大西秀人君) 養育費の不払い対策として、丁寧なアドバイスや費用補助を行うなど、今後の対応についてでございます。 養育費の不払いを原因として、経済的に厳しい状況にある独り親家庭が、全国的に多く見られる中、先行的に公正証書作成費用等に係る補助制度を実施している自治体の取組は、独り親の皆様が抱えている、現在の生活や子供の将来に対する不安を、少しでも軽減できますことから、本市としても、参考とすべき点があるものと存じております。 このような中、去る9月9日、法務省の有識者会議におきまして、養育費の不払い解消に向けた方策が取りまとめられるなど、国におきましても、積極的な動きが見られているところでございます。 このようなことから、まずは、国の動向を注視する必要があるものと存じておりまして、補助制度の創設につきましては、今後、他都市の取組も参考にしながら、調査・研究してまいりたいと存じます。 また、本市における養育費の不払いに関する支援といたしましては、独り親の皆様に限らず、これから離婚をお考えの方に対しましても3名の自立支援員が、養育費に係る公正証書作成のアドバイスを行うほか、本市の無料弁護士相談や、養育費相談支援センターへの御案内等を行うなど、独り親の皆様に寄り添った丁寧な対応に努めてきているところでございます。 一方で、若い独り親の皆様の中には、法的な手続まで考える余裕がない方も多いと存じますことから、自立支援員による相談制度の、さらなる周知を図っていく必要があるものと存じます。 このようなことから、先ほど健康福祉局長から答弁いたしました、たかまつホッとLINEなどを用い、日頃から積極的な情報発信に努めるとともに、多くの独り親の皆様が来庁される毎年8月の児童扶養手当現況届の提出時には、養育費はもとより、就労支援等、各種相談支援の効果的な実施ができるよう検討を行ってまいりたいと存じます。 本市といたしましては、今後におきましても、一人でも多くの独り親の皆様に寄り添い、養育費を確保するため、個々の状況に応じた適切な対応に努めてまいりたいと存じます。 項目2の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、次に、項目3について発言を許します。 ◆36番(大山高子君) それでは最後に、項目3、障害者支援についてお伺いいたします。 まず、難聴者対応についてですが、日本は、高齢化で老人性難聴が急増しており、日本の難聴者数は約1,994万人といわれ、人口に占める割合は約15.2%です。年齢が上がるほど、難聴者数は増加し、国立長寿医療センターの調査では、80歳以上の男性が84%、女性は73%が難聴を発症しているとのことです。具体的な症状としては、1、音が小さくなる、2、高音が聞き取りづらくなる、3、言葉として、はっきり聞き取れなくなることなどが現れてきます。 そこで、本来ですと補聴器の使用となるわけですが、補聴器の装用率は、日本は13.5%とのことです。高齢者の難聴者に対する行政側の状況は、1、高齢者には大きな声でコミュニケーションすれば、聞こえているという間違った認識がある、2、難聴という言葉は知っているが、深く理解をしていない、3、相手はうなずいているので、聞こえているとの思い込みがあるなどです。一方、高齢者側も聞こえたふりをしたり、補聴器もつけたがらないようです。そのため、大きな声でコミュニケーションを取ってしまうという悲しい現状があります。これは、高齢者の尊厳を低下させてしまう行為となってしまいます。 この加齢によって起こる聴覚の喪失は、何に影響するかというと、社会との関わりを減らしたり、認知機能が低下をしたり、また、変化がじわじわと進行し、自分でも気づきにくく、加齢には付き物と気に止めないことなどがあります。このような状況から、本当は難聴なのに、周りの人たちが認知症と誤認をする場合も多々あるようです。 本市では、2014年に磁気ループという情報通信機器を案内所、障がい福祉課、国保・高齢者医療課、納税課、介護保険課の5か所に設置をいたしました。これは、難聴者の聞こえを支援する装置ですが、基本的に補聴器や人工内耳等を装用している方への支援になります。先ほど、補聴器の装用率を述べましたように、低い状況ですので、難聴者支援としては、一部の方への支援となってしまいます。厚生労働省は、障害者差別解消法の施行に伴い、2018年に、来庁される聴覚障害者とのコミュニケーションをサポートする最新型の卓上型対話支援スピーカーを設置しました。この機器は、障害者自立支援機器等開発促進事業の対象製品であり、また、日常生活用具給付等事業、そして、介護ロボット支援事業の対象製品にもなっています。2020年8月時点で、銀行や病院・介護施設・地方自治体など、全国5,000か所で利用されています。 高松市は、昨年4月、高松市の手話言語及び障害のある人のコミュニケーション手段に関する条例を制定しました。その条文の中に、多様なコミュニケーション手段として、情報通信機器を用いて、コミュニケーションを手助けすることが盛り込まれています。そして、コミュニケーション手段は様々あり、障害の特性に応じたコミュニケーションに努めることとしています。 また、今、コロナ禍において、飛沫感染予防としてマスクを装用し、アクリルパネルを設置することにより、高齢者だけではなく、一般の方々も聞こえにくくなっています。このことから、聞こえの改善対策が必要であると考えます。 そこでまず、難聴に対する正しい理解とその対応について学ぶこと、また、その対応策として、必要課への、最新の情報通信機器の設置等を行うことについてお考えをお聞かせください。 次に、ヘルプカードについてですが、先月、高松市は、外見で分かりづらい障害のある人が持ち歩き、緊急時に必要な支援が得られるように、名刺サイズのヘルプカードの無償配布を始めました。バックなどに取り付けられるものとしては、ヘルプマークが2018年から配布をされています。このカードは、マークよりも細かく援助をしてもらいたいことなどが書き込みやすくなっていて、とても便利だと思います。 でも、ここで一番大事なことは、このヘルプカードやヘルプマークの意味を理解していただくことです。そして、そのマークやカードを持っている方々がいたら、具体的にどんな行動を起こすことが望ましいのかを知っておくことです。私も身近な何人かの方々に聞いてみましたが、まだまだマークの意味が分からない方が多かったです。また、マークは現在、約2,600個配布されたと伺っていますが、こちらもまだまだ必要な方は、知らないだけで大勢おられるのではないでしょうか。 そこで、例えば12月9日の障害者の日で、12月3日から9日までの障害者週間の時期を普及啓発週間として位置づけ、毎年広報紙に掲載するなどして、理解を深めていただくこともよいのではないでしょうか。 そこで、ヘルプマークやヘルプカードのさらなる普及促進と、市民への理解の推進を図ることについてお考えをお聞かせください。 次に、手話通訳者派遣事業についてですが、高松市は、昭和53年4月から、重度の聴覚障害者で、社会生活を営む上で手話通訳を必要とする場合に、手話奉仕員等の派遣を社会福祉協議会に委託し、始めました。平成2年度から高松市身体障害者協会に、平成26年度から香川県聴覚障害者協会に委託し、実施をしています。基本的に、県内の市町は、この香川県聴覚障害者協会に委託をしていますが、ただ、受付業務は市町の窓口で行っています。本市の場合は、受付業務も行わず、全て協会に委託をしています。この事業は委託で本当によいのでしょうか。 中核市61市を調査したところ、直営が29市、委託が29市、直営と委託の両方が3市でした。直営のメリットは、聾者の生活支援や相談支援など総合的に行うことが可能で、また、本人の状況を加味して派遣業務をできることや緊急対応がしやすいことなどです。ただ、デメリットは、経費が委託以上にかかることです。 委託の場合のメリットは、委託先のほうが専門的な知識を有し、利用者・通訳者の双方とのつながり、円滑な派遣調整が可能であることや、県内統一性のあるサービスが可能であることなど、そして、直営で実施をするよりも経費が安いということです。私は、本来ならば、本市も直営にして、聾者に対して、総合的な支援ができるようにすることが大事であると考えます。 そこで、手話通訳者派遣事業は、本来、直営であることが望ましいのではないでしょうか、御所見をお聞かせください。 本市が委託をしている業務を全て直営で行った場合、約3倍の経費がかかるのではないかと言われています。そう考えると、財政状況から直営への変更は厳しい状況であろうかとは思います。 2019年度の香川県聴覚障害者センターの運営は、諸経費総額が約765万円で、市町からの負担額合計は402万円で、363万円の赤字でした。具体的には、委託料について本市は、1,169件の派遣実績で、年間約181万円を負担しています。ほかの7市9町は、500件の派遣実績で221万円の負担でした。件数比較をし、他市町と足並みをそろえると、本来約300万円の負担が妥当となってきます。また、本市は、他市町と違って、受付業務まで全てを依頼しています。つまり、業務量が一番多いにもかかわらず、委託料は一番低い状況です。今後も委託を考えていくならば、県全体をトータルで考え、委託料の引上げを考えなくてはいけないのではないでしょうか。 そこで、今後の香川県聴覚障害者協会への適正な委託料についてお考えをお聞かせください。 以上で項目3の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの項目3に対する当局の答弁を求めます。健康福祉局長 上枝直樹君。 ◎健康福祉局長(上枝直樹君) 障害者支援のうち、難聴者対応に関し、職員が難聴に対する正しい理解と対応について学ぶ考えについてでございますが、本市におきましては、手話言語及び障害のある人のコミュニケーション手段に関する条例に基づき、障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段の普及や利用の促進に取り組んでいるところでございます。 御質問の、高齢者等の難聴に対する正しい理解と、その対応を学ぶことにつきましては、新型コロナウイルス感染症対策として、本市の窓口でも、マスクの着用やビニールシートの設置等が行われ、口の動きや表情、声が分かりづらい状況がある中、障害者等に対する合意的配慮を推進する上でも、大変、有意義であるものと存じております。 今後、職員向けの研修や周知等に、高齢者等の難聴者への理解や配慮を促す内容を盛り込むなど、職員の意識啓発に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、難聴者への対応が必要な部署への、最新情報通信機器の設置等を行う考えについてでございますが、本市におきましては、聴覚障害者等とのコミュニケーションを円滑に行うため、平成26年度から、補聴システムである磁気ループを本庁舎内の5か所に、また、昨年度からは、音声文字化アプリ等が搭載されたタブレット端末を、本庁舎内の7か所、及び庁外の8施設に配置しているところでございます。 このような中、御指摘の卓上型対話支援スピーカーをはじめ、最新の情報通信機器の設置等につきましては、一定の効果が期待できますものの、現下の厳しい財政状況を踏まえますと、直ちに設置することは困難と存じておりますが、聴覚障害者等とのコミュニケーション手段の確保の観点から、引き続き、調査・研究を進めてまいりたいと存じます。 次に、ヘルプマークやヘルプカードのさらなる普及促進と、市民への理解推進を図る考えについてでございますが、本市におきましては、平成30年度から、ヘルプマークの配布を開始し、義足や内部障害など、外見から分からなくても、援助や配慮を必要としている方等に対し、ヘルプマークを配布するとともに、ヘルプマークをお持ちの方への配慮についての周知啓発に取り組んできたところでございます。 また、本年8月からは、加えて、ヘルプカードの配布も開始したところでございまして、今後とも障害者週間での啓発はもとより、様々な機会を捉えて、広報高松をはじめ、本市ホームページやSNSなどを通じ、ヘルプマーク・ヘルプカードにつきまして、積極的な広報に取り組んでまいりたいと存じております。 次に、手話通訳者派遣事業のうち、手話通訳者派遣事業は、本来、直営が望ましいと思うがどうかについてでございますが、本市では、本事業につきまして、昭和53年度に、手話奉仕員等の派遣事業として、高松市社会福祉協議会への委託により開始して以降、平成2年度からは高松市身体障害者協会に、また、平成26年度からは手話通訳者派遣事業として、現在の委託先である香川県聴覚障害者協会に委託し、実施しているところでございます。 本事業を直営で実施するためには、手話通訳者の人材確保や、本市と同様の委託事業として本事業を実施している県内の他市町への影響、人件費等の財政面の影響など、種々、課題があるものと存じております。 このようなことから、本事業を直営で実施することにつきましては、現時点では困難な状況と存じておりますが、引き続き、障がい福祉課窓口に、複数の手話通訳者を配置するなど、聾者に対する総合的な支援が図られますよう、鋭意取り組んでまいりたいと存じます。 次に、香川県聴覚障害者協会への適正な委託料についての考えでございますが、本市におきましては、これまでも委託先である同協会との協議を経て、委託料の見直しを、数回実施してきたところでございます。 来年度の委託料につきましては、現在、同協会と協議を行っているところでございますが、御指摘のありました県内他市町との均衡や、財政状況などを勘案する中で、適切な委託料を定めてまいりたいと存じます。 項目3の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、以上で36番議員の一般質問は終わりました。 次に、22番議員の発言を許します。22番 大西 智君。  〔22番(大西 智君)登壇〕 ◆22番(大西智君) お許しをいただきまして、質問をさせていただきます。 なお、これまでの質問と一部重複いたしますが、御了承願いたいと存じます。 また、今回の質問には、未来の社会を担う学生の視点による質問・提案も含まれておりますので、未来志向による答弁を期待しております。 それでは、1点目、GIGAスクール構想について伺います。 文部科学省は、これから来る社会Society5.0に向けた取組として、昨年12月にGIGAスクール実現推進本部を設置いたしました。 これに伴い、学習指導要領の改訂を行い、全国的にコンピューター等の通信機器を使った学習を進めております。Society5.0は、新たな価値・サービスの創出により、人々の生活にさらなる豊かさをもたらす社会であると考えられており、暮らしや働き方も大きく変わると予想されております。このような時代を生きていく子供たちへの教育として、これまでの教育実践の蓄積にICTを取り入れることで、一人一人に適切な指導が行われ、おのおのの資質・能力がより一層育成されることが期待されております。 当初のGIGAスクール構想では、令和5年度までに、小中学校全学年の児童生徒一人一人がそれぞれの端末を持ち、十分に活用できる環境の実現を目指すとしておりましたが、新型コロナウイルス感染症への対応に伴い、今年度中に環境を整備すると計画を大きく前倒しすることとなり、現在、年度中での整備に向けて手配が進められております。 現在、本市では、2018年度から2023年度を計画期間とします第1期高松市ICT教育推進計画の下、小中学校における学校教育の情報化を総合的かつ計画的に推進していることから、GIGAスクール構想の計画を大幅に前倒しして実施することは、本市計画に対する影響も大きいのではないでしょうか。 そこで伺います。 GIGAスクール構想の前倒しでの実施による、第1期高松市ICT教育推進計画への影響と、今後の対応についてお聞かせください。 さて、GIGAスクール構想における1人1台端末の整備では、パソコンやタブレットなど、どのような端末を選択するかは、各市町で検討し、採用することとなっております。そのため、導入する端末やOS、ちなみにOSとは、コンピューターシステムを動作させるための基盤となるプログラムであり、オペレーションシステムの略であります。そのOSにより、使用するソフトや機能が異なることから、端末の活用方法についても違いが出ることとなります。そのため端末やOSの選択では、操作方法や機能、対応するソフトの違いを踏まえ、今後の活用方針や方法について、十分な検討がなされた上で判断することが求められるのではないでしょうか。 そこで伺います。 1人1台端末の導入における端末やOSを選択する際に、どのような点を重視して決定したのか、お示しください。 さて、現在、本市では、高松市ICT教育推進計画の下、東植田小学校や勝賀中学校において、情報教育推進パイロット事業に取り組んでおり、1人1台端末と電子黒板を活用して、理科の実験や外部の方との交流など、様々な取組が行われております。また、熊本県熊本市では、小学校の体育の授業内で、児童同士がフォームの確認のために写真の機能を使用し、また、岡山県新見市の中学校では、主にグループ学習に利用するなど、様々な取組や活用が進められております。 このように、ICTは、教育の様々な場面で活用されることで、従来の紙媒体ではできなかったことが可能となることから、その可能性が大きく広がっております。家庭学習では、授業で使用したデータの使用や、動画の反復視聴による復習が可能であることから、理解の促進につながります。また、部活動では、端末の動画機能などを活用することで、フォームの確認や、動画を使ったミーティングなど、課題の見える化や共有が可能となることで、技術や能力、チーム力の向上にもつながることが期待できます。 高松市ICT教育推進計画では、目標として、児童生徒の情報活用能力の育成を掲げ、具体的な取組を進めておりますが、学校授業における取組となっており、家庭学習や課外学習については明記をされておりません。今後、GIGAスクール構想の効果をさらに広げていくには、家庭学習や課外活動への活用が求められるのではないでしょうか。 そこで伺います。 1人1台端末を家庭学習や部活動などの課外活動も活用していく考えについてお聞かせください。 大項目1の質問は以上です。 ○議長(井上孝志君) ただいまの22番議員の一般質問の項目1に対する当局の答弁を求めます。教育長 藤本泰雄君。 ◎教育長(藤本泰雄君) 22番大西議員の御質問にお答え申し上げます。 GIGAスクール構想のうち、GIGAスクール構想の前倒しの実施による、第1期高松市ICT教育推進計画への影響と、今後の対応についてであります。 本市では、平成30年度から令和5年度までの6年間を計画期間とする高松市ICT教育推進計画を策定し、これまで、小中学校の普通教室への電子黒板などのICT環境の整備に取り組んできたところであります。 このような中、国から、GIGAスクール構想などが示されたことを受け、現在、小中学校の全学年の児童生徒への1人1台端末の早期整備などに取り組んでいるところであり、来年度からは、全ての児童生徒がタブレット端末を使った授業を受けることができるとともに、臨時休業などの非常時において、学校と家庭とをつなぐだけでなく、日常的に様々な場面を双方向につなぐオンライン授業を行うことも想定しているところであります。 このように、学校におけるICT環境の整備については、計画策定時点とは取り巻く状況が大きく変化していることを踏まえ、今年度が計画の中間見直しの年度となっておりますことから、当初計画では想定していなかった、新しい学びの姿を踏まえ、今後3年間の本市のICT教育に係る指針となるグランドデザインを示してまいりたいと存じます。 次に、1人1台端末の導入における端末やOSを選択する際に、どのような点を重視して決定したのかについてであります。 国から示された学習用端末の標準仕様には、三つのOSが示されており、各自治体で選択することとされております。 教育委員会といたしましては、大学教員や学校関係者等による教育の情報化推進検討会で検討を重ね、教員が既存の校務用と教育用の端末で慣れ親しんでいるOSにすることで、一気に進むICT環境の大幅な変化への負担を下げること、これまで作成してきた教材資料等をそのまま生かせるため、端末の活用が無理なく進むことを重視して、決定したものでございます。 次に、1人1台端末を家庭学習や部活動などの課外活動でも活用していく考えについてであります。 現在、進めている1人1台端末は、来年度からは、様々な学習場面で活用するとともに、家庭への持ち帰りも想定しており、AI型ドリルの利用や、インターネットを使った調べ学習、オンライン授業の実施など、ICT環境の整備に取り組んでいるところでございます。 また、部活動をはじめ、日常的に様々な場面でも活用できると考えており、その具体的な活用につきましては、今年度、高松市ICT教育推進計画の中間見直しの中で、各学校に示してまいりたいと存じます。 項目1の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、次に、項目2について発言を許します。 ◆22番(大西智君) 次に、電子図書について伺います。 電子書籍事業に携わる印刷会社などでつくる電子出版制作・流通協議会の調査によりますと、タブレット端末やスマートフォンなどで閲覧できる電子書籍を貸し出す電子図書館を運営する地方自治体が、本年7月1日時点で35都道府県の100自治体に達したとの報道がありました。 電子図書館に期待される主なメリットとしては、利用可能時間、空間的な制約の解消、障害者や高齢者の利用支援の拡大、貴重資料や地域資料の保持・公開・劣化防止、物理的な在庫管理問題の解消、システム化による図書館業務の軽減などが挙げられております。 一方で、課題としては、貸出し可能な電子書籍の絶対数の不足、購入費用の会計基準の明確化、電子書籍の価格と図書館予算との調整などが挙げられていることから、電子図書館を導入することによるメリットも多いものの、同時に様々な課題も存在しております。 全国の図書館を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症により、休館や利用制限を余儀なくされるなどの影響を受けていることから、ウイズコロナの時代において、感染症の拡大を防げる住民サービスとして、電子図書館への期待は大きくなっているのではないでしょうか。 また、緊急事態宣言に伴う学校の休業期間中、学びを止めないための様々な取組や工夫がなされましたが、Society5.0に向けた取組として、GIGAスクール構想と同様に、電子図書館が果たす役割に対する期待も大きくなっているのではないでしょうか。 そこで伺います。 ウイズコロナ時代における図書館の在り方として、電子図書館の導入に対する考えについてお聞かせください。 また、令和2年度から実施される新学習指導要領を踏まえた主体的・対話的で深い学びの視点からの授業の改善や特別な配慮を必要とする児童生徒等の学習上の困難低減のため、学習者用デジタル教科書を制度化する学校教育法等の一部の改正する法律等関係法令が、平成31年4月から施行されました。これにより、これまでの紙の教科書を主たる教材として使用しながら、必要に応じて学習者用デジタル教科書を併用することができることとなりました。 今後、GIGAスクール構想が進む中、学習教材としての電子図書は、重要なツールとして期待ができることから、学校図書の電子化について計画的に進めていく必要があるのではないでしょうか。 そこで伺います。 学校教育において、電子図書を整備し活用する考えについてお聞かせください。 大項目の2の質問は以上です。 ○議長(井上孝志君) ただいまの項目2に対する当局の答弁を求めます。教育長 藤本泰雄君。 ◎教育長(藤本泰雄君) 電子図書のうち、ウィズコロナ時代における図書館の在り方として、電子図書館の導入に対する考えについてであります。 電子書籍等の貸出サービスを行う、いわゆる電子図書館サービスは、図書館に出かけたり、書籍に触れたりする必要がなく、図書館への来館が困難な障害者や高齢者等の利用支援につながるほか、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐサービスとしても役立つものと存じております。 こうしたことから、緊急事態宣言が出ていた本年4月・5月を中心に、電子書籍の貸出件数が全国的に増加し、また、それ以降、公共図書館での電子図書館の導入も増加しているものと承知しております。 しかしながら、電子書籍の公共図書館向けのコンテンツは、現在も極めて限定的であることや、1タイトル当たりの価格が、紙媒体の書籍と比べて高価なことなどから、本年7月の時点において、電子図書館の導入は、全国の公共図書館3,303館中97館と3%にとどまっている状況でございます。 本市といたしましては、今後、著作権などの制度に関する議論の進展や、それに伴うコンテンツの充実、費用対効果などを踏まえ、他の自治体の事例も参考にしながら慎重に検討してまいりたいと存じます。 次に、学校教育において、電子図書を整備し活用する考えについてであります。 学校において、電子図書を活用する際の利点といたしましては、児童生徒が休憩時間等を利用して、自由に電子端末を用いて読書を楽しむことができ、読書の機会が増える可能性があること、同時に同じ本を多人数で読んだり、音声や動画が視聴できたりするなど、授業の教材として活用できる可能性があることなどが挙げられます。 一方、電子図書を活用する際の課題といたしましては、調べ学習における図鑑や資料は、紙媒体の図書のほうが複数の情報を一度に見ることができること、読み物についても、紙媒体の図書に親しんでいる児童生徒の存在も大切にしたいことなどが挙げられます。 教育委員会といたしましては、こうした電子図書の利点や課題を踏まえますとともに、情報教育推進パイロット校において、1人1台の端末がある環境を生かして、オンライン百科事典サービスの導入を予定しているところでございますので、その成果等も踏まえ、電子図書の整備や活用について、今後、検討してまいりたいと存じます。 項目2の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、以上で22番議員の一般質問は終わりました。 この際、暫時休憩いたします。 なお、午後1時に再開いたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。      午後0時1分 休憩  ────────────────      午後1時1分 再開 出席議員 38名  1番 杉 本 勝 利  2番 白 石 義 人  3番 小比賀 勝 博  4番 大 浦 澄 子  5番 山 下   誠  6番 大 見 昌 弘  7番 西 岡 章 夫  8番 鎌 田 基 志  9番 斉 藤   修  10番 坂 下 且 人  11番 井 上 孝 志  12番 中 村 順 一  13番 辻   正 彦  14番 橋 本 浩 之  15番 十 川 信 孝  17番 住 谷 篤 志  18番 田 井 久留美  19番 神 内 茂 樹  20番 三 笠 輝 彦  21番 北 谷 悌 邦  22番 大 西   智  23番 佐 藤 好 邦  24番 妻 鹿 常 男  25番 天 雲 千恵美  26番 中 西 俊 介  27番 藤 原 正 雄  29番 中 村 秀 三  30番 造 田 正 彦  31番 中 村 伸 一  32番 竹 内 俊 彦  33番 富 野 和 憲  34番 植 田 真 紀  35番 春 田 敬 司  36番 大 山 高 子  37番 太 田 安由美  38番 藤 沢 やよい  39番 岡 田 まなみ  40番 吉 峰 幸 夫  ──────────────── 欠席議員 2名  16番 岡 下 勝 彦  28番 香 川 洋 二  ──────────────── 議会事務局出席者  事務局長     多 田 雄 治  事務局次長総務調査課長事務取扱           西 川 宏 行  議事課長     谷 本 新 吾  議事課長補佐   十 河 知 史  議事係長     田 中 勝 博  議事課主査    川 原 大 征  ──────────────── 説明のため会議に出席した者  市長       大 西 秀 人  副市長      加 藤 昭 彦  副市長      田 村 真 一  教育長      藤 本 泰 雄  市民政策局長   佐々木 和 也  総務局長     網 本 哲 郎  財政局長     森 田 大 介  健康福祉局長   上 枝 直 樹  環境局長     森 田 素 子  創造都市推進局長 長 井 一 喜  都市整備局長   木 村 重 之  消防局長     辻 本 哲 彦  病院局長     石 原 徳 二  教育局長     赤 松 雅 子  市民政策局次長  田 中 照 敏  総務局次長事務取扱小 澤 孝 洋  財政局次長    外 村 稔 哉  健康福祉局次長  河 野 佳 代  環境局次長    宮 崎 正 義  産業経済部長   石 川 恵 市  都市整備局次長  板 東 和 彦  消防局次長    福 山 和 男  病院局次長    青 木 清 安  教育局次長    中 谷 厚 之  秘書課長     松 本 竜太朗  総務課長     楠 原 昌 能  財政課長事務取扱 楠   康 弘  ──────────────── ○議長(井上孝志君) それでは、休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 21番議員の発言を許します。21番 北谷悌邦君。  〔21番(北谷悌邦君)登壇〕 ◆21番(北谷悌邦君) 皆さんこんにちは。私は同志会の北谷です。議長のお許しをいただきまして、喫緊の課題と夢のある提案について質問させていただきます。市長並びに教育長・関係局長の前向きの答弁を期待申し上げます。 なお、他の議員と重複する質問もありました場合、御容赦いただきたいと存じます。 まず最初の大項目1、サンポート高松周辺の再開発についてお伺いいたします。 香川県の中核的体育館としての機能を有するアリーナとして、県がサンポート高松に建設予定の新県立体育館は、新型コロナウイルスの影響により、完成が1年遅れるとのことですが、2024年度には完成の見込みであります。 この施設は、中四国最大級の1万人以上を収容できるホールを備え、JR高松駅からも近い上、市内繁華街からのアクセスもよいことから、周辺の再開発を行うことで、より大きな経済効果を期待できるものと考えます。新県立体育館の建設は、県が行いますが、それを生かす町の整備は、基礎自治体である本市が取り組む課題です。 そこで、他市の例を見ると、鉄道駅前周辺や高層ビル周辺の交通の緩和、歩行者の安全などを考慮し、人の流れをコントロールするため、高架による歩行者専用の歩道であるペデストリアンデッキを整備しているところがあります。昨年、経済環境常任委員会視察と高松市議会観光振興議員連盟で訪れた長崎駅前にも整備されており、市民や観光客は、安全に道路の上の回廊を移動できておりました。 今回の新県立体育館は、大きなスポーツ大会やコンサートなどのイベントも行えることで、時間帯によっては今以上にたくさんの人が集中してくる可能性があります。これらの人の流れを円滑にし、また、近くの玉藻公園やその先の中央商店街などの繁華街への安全な移動手段が必要です。 また、2024年のこけら落としでは、有名なアーティストを呼ぶことも考えられ、サンポート高松付近には、受皿としての居場所も追加することが必要です。名古屋市では、中心部において、栄バスターミナルと土産物ブースやカフェを併設した地下オープン広場を持つ緑地と、緑を立体化したオアシス21という、地上・地下で周辺施設を結ぶサードプレイス施設があり、雨天になれば逃げ込むことができます。交通の要衝であるサンポート高松も、周辺の景勝地へも行きやすく、便待ちのひとときを過ごせるようなサードプレイスの整備で、今以上に魅力のある駅前や港として生まれ変わることができると考えます。 昨年、海外行政視察で赴いたシンガポールの国立公園ガーデンズ・バイ・ザ・ベイでは、19時からのたった15分間の音楽とイルミネーションのショーを見るために、世界中から観光客が訪れ、この人たちはやがて夕食や宿泊へと流れます。サンポート地区の都市再生について、検討する高松市サンポート地区都市再生検討委員会の第1回の委員会も開催されたと聞いておりますが、本市も公共交通の要衝であるサンポート高松に整備される新体育館を核に、訪れた方々が安全に市内・市街地などへ移動したり、滞留したり、選択肢の多い動線の整備へ取り組むところにきているのではないでしょうか。 そこでお伺いいたします。 JR高松駅前から琴電高松築港駅、中央商店街までをペデストリアンデッキでつなぐなど、歩行者空間や人が滞留する、にぎわい空間を整備する考えをお聞かせください。 これで、大項目1の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの21番議員の一般質問の項目1に対する当局の答弁を求めます。都市整備局長 木村重之君。 ◎都市整備局長(木村重之君) 21番北谷議員の御質問にお答え申し上げます。 サンポート高松周辺の再開発に関し、JR高松駅前から琴電高松築港駅、中央商店街までをペデストリアンデッキでつなぐなど、歩行者空間や人が滞留する、にぎわい空間を整備する考えについてでございますが、御紹介をいただきましたとおり、本市では、サンポート地区の再整備につきまして検討委員会を設置し、国の補助採択を得るための都市再生整備計画の策定に向け、地区周辺の環境整備などの検討を進めていくこととしております。 去る7月に開催した第1回委員会では、地区周辺の交通対策の考え方などをお示しいたしましたが、委員からは、中央商店街を含めた、一体感のあるまちづくりを進めるべきであるとか、自動車と、ふくそうしない歩行者動線の検討が必要であるなどの御意見をいただいたところでございます。 このため、今後の委員会におきましては、サンポート地区を取り巻く各種プロジェクトの動向や、市民の皆様のまちづくりに対する期待なども俎上にのせた上で、御提言のペデストリアンデッキの整備など、円滑かつ快適で、にぎわいのある歩行者空間などの在り方につきまして、様々な角度からの検討をお願いし、具体的な整備方針を都市再生整備計画に反映させてまいりたいと存じます。 項目1の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、次に、項目2について発言を許します。 ◆21番(北谷悌邦君) 大項目2、空き家対策についてお伺いいたします。 本市における空き家問題は、非常に喫緊の問題であり、郊外部では、住民が市街地に移動したり、住民が高齢化により介護施設に移ったり、また、そもそも、住人の相続人が絶えたりするなど、様々な形により空き家が増えつつあります。また、市街地においても、こういった空き家は徐々に増加しており、空き家を放置すると周辺への悪影響もあることから、市全体で取り組んでいく問題であります。 市民の方から私に御相談があった案件は、住民が死亡したことで空き家になり、年々建物が老朽化したことにより、県道と市道に面しているのに景観が悪いだけでなく、建物が倒壊の危険性もあり、通学中の児童や市民の安全性が脅かされている状態にあります。 当局も現地を確認後、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、相続関係人を調査するなど、動いておりますが、当該物件は、現状では抜本的な対応ができず、より危険な状態になった場合の対処法は、条例で規定している緊急安全措置として、例えば敷地をフェンスで取り囲むなど、倒壊した場合には近隣住民や公道に危害が及ばないように対応するとのことでした。 案件によって対応は異なるようですが、当局においても、現地確認後にその空き家を誰が相続人として対応していただけるか、確定させるために、遠縁の親戚まで聞き取りを行うなど、相当な時間を要しているようであります。 そこで、空き家を担当する職員数について、他市の状況を調査しましたところ、マンパワーのある都市では、空き家を上手にリユースする施策をしている市や、空き家所有者・市民・専門家等が参加して、車座ミーティングや空き家相談会を実施している市もありました。 本市も今後、少子・高齢化が進んでいく中で、コンパクトエコシティーが進み、特に郊外では、これまで以上に空き家が増加していくことが推察できます。市民の安全・安心のためには、より空き家対策に力を入れていく必要があると考えます。 そこでお伺いいたします。 本市における空き家等対策事業の概要についてお聞かせください。 また、現在までに、緊急安全措置を実施した危険空き家の数についてお示しください。 そして、市民が安全で安心して暮らせるよう、空き家対策に取り組む考えについてお聞かせください。 これで、大項目2の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの項目2に対する当局の答弁を求めます。市民政策局長 佐々木和也君。 ◎市民政策局長(佐々木和也君) 空き家対策のうち、空き家等対策事業の概要についてでございますが、空家等対策の推進に関する特別措置法が、平成27年5月に全面施行されて以降、空き家等対策を総合的かつ計画的に実施するため、同年10月に高松市空家等の適切な管理及び活用の促進に関する条例を施行し、また、翌28年2月には、高松市空家等対策計画を策定したところでございます。 これまで、年間300件を超える適切な管理がされていない空き家周辺の住民からの苦情等に対応しておりますほか、法に規定する特定空家等に対する措置を実施するとともに、空き家の除却や改修に対する補助制度を創設するなど、空き家対策を積極的に推進しているところでございます。 中でも特定空家等につきましては、これまで12軒に対し、粘り強く指導などの措置を行い、このうち9軒につきましては、所有者や相続関係人により、除却がなされたことで解決に至っております。 また、補助制度におきましては、28年度の制度開始以降、補助率や補助限度額の引下げなどの制度改正を行い、利用者数のさらなる拡大に努めたところでございまして、本年度実施予定分も含めますと、空き家の除却に対し167件、改修に対し35件の補助を実施している状況でございます。 今後におきましても、特定空家等に対する措置を適正に実施するとともに、補助制度の周知啓発を行い、安全で安心な市民生活の確保に努めてまいりたいと存じます。 次に、現在までに、緊急安全措置を実施した危険空き家の数についてでございますが、本市では、危険空き家等のうち、倒壊や崩落等により、人の生命、身体や財産に危害が及ぶおそれのあるものに対し、条例に規定する緊急安全措置を実施しており、これまでに6軒の危険空き家等に対し実施しております。 次に、市民が安全安心で暮らせるよう、空き家対策に取り組む考えについてでございますが、実効性のある空き家対策といたしましては、老朽化し、倒壊等の危険性のある空き家について、法や条例等に基づく措置を適切に実施する一方で、空き家として放置されることの未然防止を図るためには、相続手続を促進することが重要であると存じております。 今後におきましては、放置された空き家の相続手続が適切に行われるよう、広報高松やホームページ等各種媒体を活用し、さらなる周知啓発に努めるとともに、高齢者等が集まる機会を捉えて、空き家に関する講座等を開催するなど、実効ある空き家対策を積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 項目2の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、次に、項目3について発言を許します。 ◆21番(北谷悌邦君) 大項目3、差別ない安心で人に優しい都市づくりについてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症は、市民の健康を脅かすだけでなく、新たな差別をも生み出し、大きな社会問題となっております。 本市では、最初の感染拡大時、私の地元である鬼無町においてクラスターの発生がありました。当初、感染症の正体がまだよく解明されておらず、亡くなる方がある怖い伝染病の広がりに皆恐怖を覚え、毎朝、私が旗振りをする保育所の映像が、連日テレビで放映され、テレビを見るたびにやるせない気持ちになったところです。 私も濃厚接触の可能性で2週間の自宅待機を行いましたが、その間、地元住民の様々な相談に電話やSNS等で対応しました。こうしたテレワークの中の相談の半分は、PCR検査の希望や感染経路の質問で、当局の対応で徐々に解決していきましたが、残り半分は、鬼無町の企業や住民に対する差別や誹謗中傷への被害相談でした。 具体的には、町内の販売店や理容室へ予約のキャンセル、また、町内在住の医療従事者は病院から休むように言われたこと、造園業者には鬼無から来ないでくれなどの心ない言葉があったとも聞きました。 今思えば、少ない情報の中、新型コロナウイルス感染症が町全体に蔓延しているような不安の中から、こういった誹謗中傷が発生したと考えます。迅速な情報発信による正確な知識の共有があれば、状況は違っていたのではないでしょうか。今は、最初の感染は途絶え、平常を取り戻しましたが、誹謗中傷を受けた地元住民は、皆一様に同じ思いを、ほかの町の人にも味わってほしくないとの思いです。 また、誹謗中傷を許さない環境をつくることも重要です。そんな中、しばらく感染ゼロ人を維持した岩手県では、初めての感染の企業名公表後の誹謗中傷が起こった状況に、行政サイドとしても、裁判を視野に入れ、誹謗中傷のSNSでのデータを証拠として保存していくとの確固たる強い態度で臨みました。 本人が悪いという考えが日本では突出しているので、何かあったときに自己責任を問われるとも言われます。ただ、よく考えると、一番の被害者は、感染された方でありますので、さらに追い打ちをかける発言のない社会にもしていかないといけません。 そのためには、差別や誹謗中傷を除去し、市民間に亀裂を生ませない、スピーディーで正しい情報の発信、正確な知識の共有など、市民が混乱しない環境をつくる必要があると思いますし、市民に向けられた誹謗中傷を許さない態度で人権擁護の施策を講じ、市民の不安を和らげることも今後は大事ではないか考えます。 そして、このような情報モラルに関する意識は、子供の頃から育むことも大事であります。鬼無で起こったことを教訓として、本市全体が、鬼のいない、お互いを思いやる市民であふれる市として発展していけるようにしていきたいと願うところです。 そこでお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症に関する情報発信を、SNS等も活用して迅速化する考えをお聞かせください。 また、新型コロナウイルス感染症に起因する差別や誹謗中傷を防止するため、さらなる周知啓発に努める考えについてお示しください。 そして、子供たちの情報モラル向上に、どのように取り組むのか、お聞かせください。 これで、大項目3の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの項目3に対する当局の答弁を求めます。総務局長 網本哲郎君。 ◎総務局長(網本哲郎君) 差別ない安心で人に優しい都市づくりのうち、新型コロナウイルス感染症に関する市民への情報発信を、SNS等も活用して迅速化する考えについてでございますが、本市におきましては、新型コロナウイルス感染症に関する様々な情報を広報高松、本市ホームページのほか、フェイスブックやツイッターなどのSNS等により、適宜、発信しているところでございます。 現在、新型コロナウイルス感染症に感染した患者が確認された場合におきましては、県の発表に併せ、ホームページやSNSを通じて市民の皆様に速やかに情報提供を行うとともに、新型コロナウイルス感染症に関する市の取組や、様々な関連情報につきましても、分かりやすくお伝えするよう努めてきたところでございます。 御質問にもございましたとおり、新型コロナウイルス感染症に関する迅速かつ正確な情報提供が、市民の皆様の不安の解消、ひいては人々の誤解や誹謗中傷の防止にもつながるものと存じております。 このようなことから、今後におきましても、SNSが持つ即時性や拡散性といった特性を生かし、ホームページと個々のSNSを連携させながら発信していくことで、より多くの市民の皆様に迅速かつ的確な情報提供ができるよう努めてまいりたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 市長 大西秀人君。 ◎市長(大西秀人君) 新型コロナウイルス感染症に起因する差別や誹謗中傷を防止するため、さらなる周知啓発に努める考えについてであります。 本市では、これまで新型コロナウイルス感染症に関しまして、正確な情報に基づき、人権に配慮した冷静な行動を市民の皆様が取っていただけるよう、様々な広報媒体を活用し、周知啓発を行ってきたところでございます。 また、コロナ差別防止についてのポスターを本庁舎内に掲示するほか、新型コロナウイルス感染症に起因する差別や誹謗中傷などを行わないよう、私から市民の皆様に向けたメッセージ動画を作成し、本市ホームページ上で7月及び8月の2度にわたりまして呼びかけをしておるところでございます。 これらの差別や誹謗中傷などは、重大な人権侵害にもつながりかねないため、あってはならないことと存じておりますことから、今後におきましても、市民一人一人の人権が尊重されるように、コロナ差別防止についてのポスターを、市民の目に届きやすい箇所に掲示することや、これまでにも増して広報高松や本市ホームページあるいはSNS等により、さらなる周知啓発に努めてまいりたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 教育長 藤本泰雄君。 ◎教育長(藤本泰雄君) 子供たちの情報モラル向上に、どのように取り組むのかについてであります。 御質問にもございますように、先の見えない不安から、新型コロナウイルス感染症に伴う、大人社会での差別や誹謗中傷も数多く見受けられ、子供たちへの悪影響が懸念されるところでございます。 このような中、教育委員会では、市内の小学3・4年生を対象にして、ネットいじめ防止の内容も含む情報モラル教育出前授業を、今年度も31校で実施する予定でございます。 また、各小中学校において、全ての児童生徒を対象に、教育委員会や警察・関係機関等が実施している情報モラルに関する授業を、年1回以上行うよう指導しているところであります。 さらに、これまでにも小中学校におきましては、教育活動全体を通して、自他の生命及び人権を尊重する心や互いの個性を尊重し、認め合う態度の育成に努めているところであり、道徳教育の全体計画や各学年の年間指導計画に位置づけ、児童生徒の発達段階に応じた指導の充実を図っているところでございます。 今後とも、教育委員会が行う出前授業や、各学校における心の教育の、より一層の充実を図り、子供たちの情報モラルの向上に努めてまいりたいと存じます。 項目3の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、次に、項目4について発言を許します。 ◆21番(北谷悌邦君) 大項目4、移住者から選ばれる教育環境の整備についてお伺いいたします。 さて、コロナ禍でのテレワークの推進が進み、都会にいなくても地方で仕事ができる環境になりつつあります。都会の近郊に住む若い家族の中には、人混みも少なく、安心して暮らせる地方都市に移りたい方が多くいるとも仄聞しておりますが、移住者を本市に迎え入れるためには、まず家族で来ていただけるような魅力のある市にしていかなくてはいけません。 本市は、山も海もあり、交通機関も発達し、買物にも困らない住みやすい環境が既に整っておりますが、質の高い教育や特色のある教育の場をつくることができれば、本市を選ぶ決め手になると私は思っております。都会に負けないICTの教育環境や教育の高度化で優秀な成績を出せる、また、外部団体とのコラボによる体験活動の導入など、特色のある教育で感性や創造力を養える、そういったことで、本市での教育を受けさせたい移住者も増えるものだと考えます。ウイズコロナへの社会変化の中、人口減少に歯止めを打つためにも、大都市近郊の若い家族に本市を選んでいただくため、教育の質をさらに向上し、特色ある教育プログラムへの取組が大事ではないでしょうか。 そこでお伺いいたします。 県外から移住を考える若い家族にとって、魅力あるICTの教育環境の整備を進める考えについてお聞かせください。 また、基礎・基本の習得と、その活用が十分に図られる教育を推進し、学力を向上させる考えをお聞かせください。 そして、外部団体とのコラボで、特色のある体験活動の推進を図り、小中学校での特色ある教育に取り組んでいく考えについてお聞かせください。 これで、大項目4の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの項目4に対する当局の答弁を求めます。教育長 藤本泰雄君。 ◎教育長(藤本泰雄君) 移住者から選ばれる教育環境の整備のうち、県外から移住を考える若い家族にとって、魅力あるICTの教育環境の整備を進める考えについてであります。 国のGIGAスクール構想を受け、本市では学校における高速大容量の校内通信ネットワーク環境や小中学校の全学年の児童生徒への1人1台端末などの整備に、全力を挙げて取り組んでいるところでございます。 また、来年度からは、小中学校全ての普通教室への整備が完了する電子黒板をはじめとするICT機器を積極的に活用し、児童生徒が主体的に取り組み、分かりやすく、楽しい授業を実現していくことで、魅力ある学校づくりに取り組んでまいりたいと存じます。 さらに、ICT活用の日常化を図り、誰一人取り残すことのない個別最適化された学びのほか、瀬戸内海や屋島などの本市の特色ある地域の魅力を発信する学習や、男木小中学校をはじめとした小規模校と他校の児童生徒が、オンラインでつながる協働的な学びを行うなど、本市ならではの学びを実現するとともに、オンラインによって世界中とつながり、多様な価値を創造していく学習を行うなど、移住を考える若い家族にとって、魅力のあるICTの教育環境の整備・活用に努めてまいりたいと存じます。 次に、基礎・基本の習得と、その活用が十分に図られる教育を推進し、学力を向上させる考えについてであります。 国や県の調査において、本市の小中学生は、全国や県の平均正答率を上回っているものの、学力の二極化に課題があり、個に応じた指導を充実することが重要であると認識いたしております。 各小中学校におきましては、一人一人の子供がどのようにつまずいているのかなどをしっかりと把握し、指導方法の改善を図るとともに、本市独自の取組である個別の補充学習、マイ・スタディの計画的な実施や少人数指導体制の推進、支援員等の活用により、きめ細かく支援を行い、学習内容の定着を図っているところでございます。 また、全ての児童生徒が、学校や家庭において、基礎・基本の習得のための自学自習に取り組むことができるよう作成した教材ベーシックTAKAMATSUを本市の子供の実態を改めて見据え、新学習指導要領に準拠した教材ベーシックTAKAMATSU2020として改訂し、11月に配付するとともに、ホームページへの掲載を行うこととしたところでございます。さらには、AI型ドリルを新たに導入し、個に応じた基礎・基本の習得を充実することとしております。 教育委員会といたしましては、今後とも、こうした高松ならではの個に応じた指導を推進することで、確かな学力の向上に努めてまいりたいと存じます。 次に、外部団体とのコラボで、特色のある体験活動の推進を図り、小中学校での特色ある教育に取り組んでいく考えについてであります。 体験活動につきましては、地域の自然や歴史・文化などに直接触れたり、産業に関わったりするなど、その地域独自の教育資源を活用することが重要であると存じております。その際、盆栽など、特産物の生産体験や農村歌舞伎などの伝統芸能体験などにおいては、地域で活躍する個人や団体など、多様な人材と関わることで、体験活動のさらなる充実に努めているところでございます。 本市では、このような活動を学校教育推進事業とし、全ての小中学校を対象に、郷土への愛情や誇りを持つ総合的な学習の時間などにおける地域人材の活用や、児童生徒の体験活動の充実を目指しているところでございます。 教育委員会といたしましては、郷土づくりに主体的に関わる態度の育成や、他者と協働することの重要性の実感などに有効な外部の人材や団体との連携による、特色ある体験授業に積極的に取り組むよう、各学校を指導・助言してまいりたいと存じます。 項目4の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、次に、項目5について発言を許します。 ◆21番(北谷悌邦君) 大項目5、農業担い手の確保についてお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルス感染症拡大防止による農業の人手不足と人材確保策についてであります。 日本の農業においては、高齢化の進展や後継者不足などにより、労働力の確保が課題となっており、例年、育成目的で受け入れている外国人技能実習生は、収穫期には重要な働き手となっております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、農業分野で約2,000名の外国人技能実習生が来日できず、農業における人手不足が懸念されているところです。 こうした中、農林水産省では、農業での人手不足の解消と農業生産の維持を目的に、農作業の経験のある即戦力の人材や、他産業従事者・学生等の多様な人材を受け入れられるよう、補正予算を計上して、農業労働力確保緊急支援事業を実施することとしました。また、各地でも新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、収入が大幅に減少した他産業を救済するために、農業分野との連携した取組が広がっています。 青森県弘前市では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、休職や自宅待機を余儀なくされている市内の観光業や飲食業の従事者を、市が一時的な就労先として農業経営者を紹介する休職者等農業マッチング緊急支援事業をスタートさせています。この事業では、飲食店などでのアルバイトが制限された大学生も対象となり、JAなどと連携しながら求人情報を集めて、求職者とマッチングしていきます。これらの支援事業は、農家の人手不足の解消とともに、コロナの影響を受けている人たちへの就労機会の提供という二つの目的があり、非常に有効な方策と受け止めています。 そこでお伺いいたします。 今般の外国人技能実習生が来日できないという状況は、本市の農業にも少なからず影響を与えているものと考えますが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、外国人技能実習生が来日できないことによる、本市の農業における人手不足をどのように認識されているか、また、他産業の人材を、農業分野で就農を見据えた就労ができるようにする考えをお聞かせください。 これで、大項目5の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの項目5に対する当局の答弁を求めます。市長 大西秀人君。 ◎市長(大西秀人君) 農業担い手の確保のうち、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、外国人技能実習生が来日できないことによる、本市の農業における人手不足をどのように認識しているのかについてであります。 香川県における農業分野の外国人労働者は、昨年10月末で約800名となっており、そのほとんどが外国人技能実習生でございます。外国人技能実習生につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、出国ができない状況となりましたことから、国が在留資格「特定活動」を付与し、引き続き、技能実習生が農業に従事できるように対応しているところでございます。 実際に外国人技能実習生を受け入れている市内の農業者に、私が直接出向いて伺ったところ、現状では、外国人技能実習生の出入国ができないため、労働者不足として支障が出ている状況ではないとのことですが、将来的な見通しが立たず、農業者も外国人技能実習生も不安であるということをお聞きいたしております。 いずれにいたしましても、今後、国が調整を進めている出入国制限緩和の状況等を注視をしていく必要があるものと存じております。 ○議長(井上孝志君) 創造都市推進局長 長井一喜君。 ◎創造都市推進局長(長井一喜君) 他産業の人材を、農業分野で就農を見据えた就労ができるようにする考えでございますが、本市では、他産業からの転職を含む就農希望者に対する相談を行っており、平成30年度及び令和元年度の就農相談件数を見ますと、約半数が農家以外の方からの相談となっております。他産業の人材を含め、農業の経験がない方が就農するに当たりましては、農地の確保のほか、技術の習得や農業機械購入の費用など、解決すべき多くの課題がございます。 そこで、本市では、県農業改良普及センターやJA香川県と連携して、就農希望者ごとの課題解決に向けた継続的な支援を行い、就農につながるよう努めているところでございます。本市といたしましては、農業分野での担い手確保は、生産基盤の強化につながると考えられますことから、今後も関係機関と連携し、他産業の人材を含めた新規就農者の確保と定着に向けた支援を引き続き行ってまいりたいと存じます。 項目5の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、次に、項目6について発言を許します。 ◆21番(北谷悌邦君) 最後の大項目6、国際観光先進都市へ向けた環境整備についてお伺いいたします。 国土交通省のホームページによりますと、令和元年度新モビリティサービス推進事業の先行モデル事業に選定された19事業中、本市が観光地型8事業の一つに選ばれ、事業名称は、瀬戸内の復権へ:海・陸・空の自由な移動網による国際観光先進都市の創造となっておりました。概要は、高松空港から入る香川・瀬戸内観光客を対象に、海上タクシーを含む海・陸・空の交通機関やツアーバス等観光事業者とAPI連携した旅程提案型MaaSを提供し、持続的な瀬戸内観光振興に向けた示唆を検討する内容でした。そして、令和2年度についても、引き続き高松モデルのさらなる推進・発達へと題し、瀬戸内洋上都市ビジョン協議会において、脱自動車施策とポストコロナ需要変容を踏まえた施策との双方を検討・実行する実証実験が支援事業に選ばれております。 私としても、昨年度、MaaS導入についての質問をさせていただいたところもあり、今後の事業の推進が気になるところであります。 さて、MaaSで公共交通機関等を利用し、本市を国際観光先進都市や瀬戸内洋上都市として創造するには、こういった情報通信技術の整備に加え、実際、海外からの観光客が利用する駅や停留所などの老朽化した施設の改善整備もまた必要です。特に、公衆便所については、観光客からのイメージを大きく左右すると考えます。私が昨年、各地を視察した経験では、観光地の最寄り駅周辺のトイレの清潔さが、集客にも影響しているように感じますし、国際観光先進都市に本市が近づく近道ではないかと考えます。 そのような中、高松盆栽の二大産地の最寄り駅となるJR鬼無駅については、トイレがいまだ、くみ取り式で、利用者も使いづらいものであると昨年、質問させていただき、その答えとして、バリアフリーのトイレを設置するように、市としてもJRに働きかけるとの答弁をいただきましたが、先般、8月21日、第2回移動等円滑化評価会議四国分科会におけるバリアフリー法に定める対応状況においては、四国内のJR四国の1日の乗降客数3,000人以上の主要14駅のうち、2駅が不適合の状況で、JR四国に負担を強いるのは、現実には厳しいと思われます。しかしながら、このまま放置して観光客が利用しづらいくみ取り式トイレで、果たしてインバウンドを含めた県外からの高松盆栽のマニアは戻るでしょうか。来年は、オリンピック、そして、再来年は瀬戸内国際芸術祭、その3年後には、大阪万博が予定されております。アフターコロナで大勢のインバウンド客の戻りや来県も予想できます。今から対応していかなくては間に合いません。 そこで、大きく視点を変えて考えますと、市街地のこういった人の集まる場所で、付近にコンビニなどもないところについては、衛生的な公衆便所の整備も必要ではないでしょうか。特に、先ほど述べましたように、観光地の公衆便所は、集客においても重要です。近くに駅があっても、不衛生なトイレしかないのであれば、市においても衛生的な公衆便所を整備することが必要不可欠と考えます。 私も最初の質問から1年経過したところでもあり、市民を代表し質問させていただいた議員として、行政当局の進行管理も責任を持って行う重要な仕事であります。今後も、観光MaaSの推進に併せ、各地域との協働や局の垣根を越えた連携で、スピード感を持って問題解決を図るよう取り組むことが大事だと考えます。 そこでお伺いいたします。 市内の公衆便所の設置状況をお聞かせください。 また、付近にコンビニ等がない、人が集まる駅や観光施設周辺において、衛生的な市の公衆便所を整備する考えをお聞かせください。 これで、大項目6の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの項目6に対する当局の答弁を求めます。環境局長 森田素子君。 ◎環境局長(森田素子君) 国際観光先進都市へ向けた環境整備のうち、市内の公衆便所の設置状況についてでございますが、本市では、高松駅前広場や観光地の屋島山上など、23か所に公衆便所を設置し、市民生活の利便性及び公衆衛生の向上を図っているところでございます。 これらの公衆便所は、清潔で快適、かつ安全であることが望ましく、利用者の印象に大きく影響いたしますことから、日常の清掃や設備の保守点検・修繕など、衛生的な維持管理に努めているところでございます。 次に、付近にコンビニ等がない、人の集まる駅や観光施設周辺において、衛生的な市の公衆便所を整備する考えについてでございますが、本市の公衆便所は、昭和29年から平成13年度まで、需要に応じて設置してまいりましたが、時代とともに公園などの公共施設、コンビニエンスストアや各種商業施設に市民が気軽に利用できるトイレが数多く確保され、観光施設におきましても、建物やその敷地内には、公共的に利用できるトイレが整備されてきたものと存じます。 新たな公衆便所の整備につきましては、現時点では考えておりませんが、公衆便所は、比較的人が集まりやすく、周辺にトイレを利用できる施設が極めて少ないなど、真に必要とされる場所に整備されるものと存じておりまして、今後、新たな観光資源への誘客などにより、その必要性が高まった場合には、改めて周辺環境やコスト面などを総合的に勘案し、適切に対応してまいりたいと存じます。 項目6の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、以上で21番議員の一般質問は終わりました。 次に、34番議員の発言を許します。34番 植田真紀君。  〔34番(植田真紀君)登壇〕 ◆34番(植田真紀君) 項目の1点目、気候変動対策についてです。 今年の夏も全国的に記録的な暑さになりました。気候変動に対して、危機感を持つ未来世代が、声を上げ始めていますが、私たちは、その声を共有できているのでしょうか。夏の猛暑に耐えながら、どこか他人事のように考えていたら、気候危機から子供たちを守ることはできません。 市長は、気候非常事態宣言を行うことについて、高松市地球温暖化対策実行計画の見直しの際の検討課題と本会議で答弁されています。本市の現行計画は、2017年度から2030年度までの計画であり、計画を取り巻く情勢が大きく変化した場合には、必要に応じて見直しを行うとしていますが、近年、目まぐるしく変化する気候変動に対する取組を行わなければいけないときに、計画の見直しに縛られ過ぎて柔軟な取組ができていません。地球温暖化対策実行計画の見直しに縛られず、積極的に気候変動対策に取り組む考えについてお答えください。 本市は、温暖化対策に関してCOOL CHOICEキャンペーンなどの省エネに対しては積極的ですが、エネルギー政策をどのようにしていくのかといった視点は、ほとんど見られません。地球温暖化対策実行計画の中で、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス・太陽熱発電の再生可能エネルギーについて、一応、導入のポテンシャルを調査しています。導入の余地が残されているとしながらも、どのようなビジョンの下、計画的に導入し、普及させるのかといったことまでは言及していません。 国の第5次環境基本計画では、今後の目指すべき社会像として、各地域が地域資源を生かして自立・分散型の社会を形成すると同時に、地域間で補完し支え合うという考え方から、地域循環共生圏を掲げています。この具体化を目指すに当たって、地域内の資金の流れがどのようになっているのか、環境施策等の実施により、それがどう変化するかを把握することが重要との考え方から、地域経済循環分析ツールを提供しています。 最新の2015年度版の本市の地域経済循環分析では、民間消費の地域外流入は約995億円で、消費の約7.5%、燃料や電気などのエネルギー代金は632億円で、地域内総生産額の約4%が域外に流出しています。この地域経済循環分析では、どのような環境政策を行えば、地域活性化に結びつくかが分かります。その地域で再生可能エネルギーを普及させるといった環境対策が、地域内でお金を回す、地域経済循環構造に与える影響を検討することが可能になるのです。 本市においては、産業・観光などの分野で、地域経済分析システムが活用されていますが、今後、エネルギー政策をどうしていくのかを考えていく上で、環境の分野にも地域経済循環分析ツールを活用し、政策立案に生かす考えについてお答えください。 昨年12月24日付で、小泉環境大臣による地方自治体へのゼロカーボンシティ──2050年までのCO2排出実質ゼロへの支援・協力のメッセージが環境省のホームページに掲載されています。そこには、ゼロカーボンを表明した100の自治体のリストが公表されていますが、取組内容の温度差がうかがえます。ゼロカーボンの表明と併せて、明確なビジョンと計画を示す必要があります。本市においても、再生可能エネルギーの導入拡大の具体的なロードマップを示した上で、2050年までのCO2排出実質ゼロを表明する考えについてお答えください。 本市は、香川大学の学生と協働で、地球温暖化についてより深く学んでもらうことを目的に、くーるちょいすノートを作成、市内各小学校5・6年生を対象に配付しています。次世代への環境学習の取組、とりわけ学校教育の場における学習が重要だと考えますが、このリーフレットを配付するだけではなく、これを基にした環境学習への支援に積極的に取り組む考えについてお答えください。 以上で第1項目の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの34番議員の一般質問の項目1に対する当局の答弁を求めます。環境局長 森田素子君。 ◎環境局長(森田素子君) 34番植田議員の御質問にお答え申し上げます。 気候変動対策のうち、地球温暖化対策実行計画の見直しに縛られず、積極的に気候変動対策に取り組む考えについてでございますが、本市実行計画は、2030年度における温室効果ガスの削減目標実現に向け、市民・事業者と連携・協働して取り組む施策などを取りまとめたものでございますが、気候変動の深刻化や脱炭素の潮流など、温暖化を取り巻く状況変化がございましたことから、計画の見直しを行うこととしているものでございます。 一方、これまでも計画の見直しを待たず、気候変動講演会やZEH──ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス体験宿泊事業の開催など、新たな取組を行ってきたほか、コンパクトで持続可能なまちづくりの推進や、クリーンセンター等でのバイオマス発電を行うなど、温室効果ガスのさらなる削減等に努めてきたところでございまして、今後におきましても、積極的に気候変動対策に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、環境の分野にも地域経済循環分析ツールを活用し、政策立案に生かす考えでございますが、御質問の分析ツールは、地域循環共生圏の創造を目指す取組を支援するため、環境省が提供しているものでございまして、環境課題と経済・社会的課題の同時解決を図る取組を立案する上で参考になるものと存じます。 今後、再生可能エネルギーのさらなる利用促進を図る上で、本市の特徴を生かし、課題解決にもつながる地域資源の利活用を進めていくことが課題と存じておりまして、この分析ツールも活用しながら、施策の立案に生かしてまいりたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 市長 大西秀人君。 ◎市長(大西秀人君) 再生可能エネルギーの導入拡大の具体的なロードマップを示した上で、2050年までのCO2排出実質ゼロを表明する考えについてであります。 近年、大規模な台風や猛烈な豪雨など、温暖化の影響と見られる災害が多発しており、今年の国の環境白書におきましては、単なる気候変動ではなく、気候危機と表現されるなど、地球温暖化対策の必要性は、これまで以上に高まってきているものと存じます。 本市では、地球温暖化対策実行計画におきまして、2030年度の温室効果ガスの削減目標を、国の26%を上回る30%に設定をし、低炭素な町の実現に努め、将来的に脱炭素化を進めていくとし、再生可能エネルギーの利用を促進するなど、目標の実現に向けて取組を進めてきたところでございます。 今後におきましては、本市の実行計画の見直しに併せて、2050年までのCO2排出実質ゼロの表明を含め、温暖化対策のさらなる取組について検討を進めてまいりたいと存じます。 なお、このゼロカーボンシティの表明は、より困難で高い目標を目指す本市としての意思表明であると存じておりまして、表明と同時に具体的なロードマップを示すことまでは考えておりません。 ○議長(井上孝志君) 環境局長 森田素子君。 ◎環境局長(森田素子君) くーるちょいすノートを配付するだけでなく、これを基にした環境学習への支援に積極的に取り組む考えでございますが、御質問のくーるちょいすノートは、イラストが多く使われ、小学生も楽しく温暖化対策について学べるリーフレットでございまして、市ホームページからも御覧いただけます。これまで市内の小学校5・6年生に対して配付するとともに、こども未来館・市立図書館などの施設で配布したほか、子供向け体験教室や共同制作者である香川大学学生団体SteeePの活動などでも子供たちへの啓発に活用してきたところでございます。 今後におきましても、様々な環境学習の場でこのリーフレットを活用して、温暖化対策について学べるよう、SteeePなどの団体と共同して、出前講座などで利用してまいりたいと存じます。 項目1の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。 ◆34番(植田真紀君) 議長──34番。 ○議長(井上孝志君) 34番 植田真紀君。 ◆34番(植田真紀君) それでは、再質問させていただきます。 (3)について、実行計画の見直しのときにCO2排出実質ゼロの表明を検討するということですが、表明だけであれば、見直しに縛られず行えばいいと思いますし、実行計画の見直しの際に行うのであれば、ぜひロードマップを示した上で行っていただきたいと思います。再度、質問いたします。 それと、(4)の環境教育の支援に積極的に取り組む考えです。私は、学校現場における環境教育が重要として支援をお願いしました。校長会などに対して、このくーるちょいすノートの配布をお願いして活用してほしいと言っているそうですが、一件も学校側からは要請がないということは、やはり、くーるちょいすノートを活用した環境学習の支援が必要だと思います。出前講座ではなく、学校現場における環境学習の取組について再質問いたします。 ○議長(井上孝志君) 答弁について理事者側の調整のため、しばらくお待ちください。──ただいまの34番議員の再質問に対する当局の答弁を求めます。市長 大西秀人君。 ◎市長(大西秀人君) 34番植田議員の再質問にお答え申し上げます。 気候変動対策のうち、再生可能エネルギーの導入拡大の具体的なロードマップを示した上で、2050年までのCO2排出実質ゼロを表明する考えについてであります。 本市におきましては、今後、気候変動の急激な状況変化もあり、近いうちに実行計画の見直しに取り組むこととしており、併せて2050年までのCO2排出実質ゼロの表明を含め、温暖化対策のさらなる取組について検討を進めてまいりたいと存じております。 なお、この表明は、より困難で、高い目標を目指す本市としての意思表明と存じておりまして、具体的施策の検討は進めてまいりますが、表明と同時に具体的なロードマップを示すことまでは考えておりません。 ○議長(井上孝志君) 環境局長 森田素子君。 ◎環境局長(森田素子君) 34番植田議員の再質問にお答え申し上げます。 気候変動対策のうち、くーるちょいすノートを配付するだけでなく、これを基にした環境学習への支援に積極的に取り組む考えでございますが、今後とも様々な環境学習の場でこのリーフレットを活用して、温暖化対策について学べるよう、SteeePなどの団体と協働して、出前講座などで利用してまいりたいと存じます。御理解を賜りたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 次に、項目2について発言を許します。 ◆34番(植田真紀君) 大項目の2、図書館サービスの充実についてです。 まず、図書館利用に障害のある人へのサービスについて。 昨年、制定された読書バリアフリー法について、教育長は、障害の有無にかかわらず、それぞれのニーズに応じた方法で読書ができるよう、効果的な施策を推進すべきと述べられています。読書バリアフリー法制定を機に、本市図書館の運営方針にもある、乳幼児・高齢者・障害者など、全ての市民への図書館サービスの提供を図りますとの基本目標に向けて取り組む必要があります。 さて、7月には、読書バリアフリー法に基づく2024年までの国の方針や施策の方向性を示した基本計画が示されました。基本計画における施策の方向性としては、視覚障害者などの方々にとって使いやすい書籍の制作支援や図書館の体制整備が柱になっています。点訳・音訳のインターネットサービスの提供拡充や人材育成の必要性も明記されました。 本市は、昨年9月定例会において、国の基本計画を踏まえ、視覚障害者等のニーズに沿った施策を推進するとともに、基本計画の策定について検討していくとの方針を示していますが、本市ではどのような施策が必要と考えているのでしょうか。また、本市基本計画は、どのように策定していくのか、お答えください。 読書バリアフリー法制定をきっかけとした、本市図書館における障害者サービスの充実についてですが、まず、視覚などの障害により活字図書の利用が困難な方のためのデイジー図書についてです。 デイジーとは、アクセシブルな情報システムと訳されるデジタル録音図書のことです。音声のみの音声デイジーと、音声を聞きながらテキストや画像も同時に見ることができるマルチメディアデイジーがあり、デイジーを聞くためには、専用の再生機、または専用の再生ソフトをインストールしたパソコンが必要になります。現在の本市図書館は、デイジー図書の所蔵が非常に少ないことから、充実させていく必要があります。デイジー図書の充実について取り組む考えをお聞かせください。 次に、電子図書館についてです。 ネット図書館サピエは、全国視覚障害者情報提供施設協会が運営しており、インターネットを介して利用する電子図書館です。図書館は、利用者からリクエストがあった場合、サピエ図書館の書誌データベースを検索することで、全国の視覚障害者用資料を調べることができます。該当するコンテンツがあれば、ダウンロードし、メディアにコピーして貸し出すことができます。本市図書館において、サピエ図書館の登録をし、視覚障害者等に向けた障害者サービスを拡大していく考えについてお聞かせください。 次に、身近なところで対面朗読を行えるようにすることについてです。 対面朗読の利用を広げていくために、ボランティア養成講座にも力を入れています。講座を受講した人を生かし、中央図書館以外の各地域館において、実施できるよう、対面朗読の体制を整備する考えについてお聞かせください。 次に、図書館における雇用・人材育成についてです。 全国の公共図書館の中には、まだ数は少ないですが、図書館職員として視覚障害者が勤務しています。音訳図書を再生する機器・ソフトや電子図書を拡大表示するタブレットの使い方をサポートしたり、点訳・音訳資料の作成を助言したりするなど、利用者という立場だけでなく、支援する立場からの当事者の声を反映させた図書館づくりや、質の高い資料の提供などが、障害者サービスの充実のためには必要と考えます。 本市は、点字での受験を認めていますので、点字の読み書き・点字目録の作成・点字資料の校正ができるなどの条件をつけることで、視覚障害者を採用することができます。既に全国の公共図書館に勤務する視覚障害者は、自治体の直接雇用で、その大部分が正規職員で採用されています。読書バリアフリー法でも、公共図書館における障害者雇用の重要性に触れていることに鑑み、本市図書館において、視覚障害者の雇用を行う考えについてお聞かせください。 また、本市の場合、41名中38名の図書館司書が会計年度任用職員で、正規職員の図書館司書はたったの3名です。専門職であるにもかかわらず、身分保障がない不安定な雇用です。次世代の人材育成のためにも、専門職である図書館司書を正規職員として雇用する考えについてお聞かせください。 次に、図書館分室の充実についてです。 今年度の図書館評価取組項目の図書館機能の拡充において、市民に身近なコミュニティセンター内にある図書館分室の充実に努めるとあり、2019年度から3年間かけて分室利用促進事業として、新規購入図書を入れ替える事業を行うことになっています。 このように、分室の図書を充実していくことはもちろんですが、分室が会議室を兼ねているなど、図書室として常に利用できる状態になっていない分室も見受けられます。コミュニティセンター内にある図書館分室の充実は、図書の充実だけでなく、同時に、専用の図書室として整備していく必要がありますが、その考えについてお聞かせください。 以上で第2項目の質問を終わります。 ○議長(井上孝志君) ただいまの項目2に対する当局の答弁を求めます。教育長 藤本泰雄君。 ◎教育長(藤本泰雄君) 図書館サービスの充実のうち、図書館利用に障害のある人へのサービスに関し、視覚障害者等のニーズに沿った施策を推進するに当たり、どのような施策が必要と考えているのかについてであります。 本年7月に策定された、いわゆる読書バリアフリー法に基づく国の基本計画においては、視覚障害者等を対象に、現在も制作されている点字図書や録音図書、拡大図書等の量的拡充と質の向上、アクセシブルな電子書籍等の普及、障害の種類・程度に応じた配慮の必要性などが基本的な方針として示されたところでございます。 本市といたしましては、この方針を踏まえ、点字図書や録音図書などの収集・制作に引き続き取り組み、量的拡充と質の向上を図るとともに、国立国会図書館やサピエ図書館が実施するインターネットを利用したサービスの利用環境を整備するなど、電子媒体の活用を推進してまいりたいと存じます。 また、アクセシブルな書籍等の紹介コーナーの設置や読書支援機器の整備、分かりやすい表示など、読書環境の整備に努めるとともに、視覚障害だけではなく、発達障害や肢体不自由など、障害の特性に応じたサービスの提供や必要な支援が行えるよう、関係機関とも連携・協力しながら、職員研修等を実施し、人材の育成を図ってまいりたいと存じます。 次に、読書バリアフリー法に基づく本市の基本計画は、どのように策定していくのかについてであります。 読書バリアフリー法に基づく本市計画の策定につきましては、国の基本計画を踏まえ、今後、先ほど申し上げましたような、本市としての取り組むべき事項や課題を確認した上で、計画策定の必要性も含め検討してまいりたいと存じます。 次に、デイジー図書の充実に取り組む考えについてであります。 現在、本市図書館では、約50点のデイジー図書を所蔵しておりますものの、利用者が少ないのが現状でございまして、今後、関係機関等を通して利用案内を行うとともに、コンテンツの充実についても取り組んでまいりたいと存じます。 次に、サピエ図書館の登録をし、視覚障害者等に向けた障害者サービスを拡大していく考えについてであります。 サピエ図書館におきましては、全国の点字図書館等で制作された点字やデイジーデータを個人や会員施設等がダウンロードできる体制が整っておりますことから、本市図書館といたしましても、会員施設として登録し、館内の端末から利用できる環境を整備してまいりたいと存じます。 次に、中央図書館以外の各地域館において、対面朗読の体制を整備する考えについてであります。 現在、本市図書館では、中央図書館の対面朗読室において、対面朗読サービスを実施しておりまして、昨年度は、33回の利用があったところでございます。地域館での実施につきましては、各施設でのスペースの確保や、ボランティアを含めた人員の確保など、各館ごとに状況を見極めながら検討してまいりたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 総務局長 網本哲郎君。 ◎総務局長(網本哲郎君) 図書館における雇用・人材育成のうち、図書館において、視覚障害者の雇用を行う考えについてでございますが、障害者の採用において、視覚障害を特定しての募集は、国からの通知により、障害種別を特定する募集は適切ではないとされておりますことから困難であると存じております。 一方、本市における障害者を対象とした職員募集では、拡大文字や点字等に対応し、視覚障害者も受験可能な環境を整えており、視覚障害者を採用することは可能でございまして、現在、4名の視覚障害を有する職員を雇用しております。 御質問にございますように、図書館を利用する視覚障害者へのサポートは、障害を持たない職員でも可能でございますが、障害者サービスの充実を図る上では、視覚障害者の配置も有益と存じます。 このようなことから、今後、本人の希望や適性を踏まえた上で、視覚障害者の図書館への配置について検討してまいりたいと存じます。 次に、図書館司書を正規職員として雇用する考えについてでございますが、本市においては、司書資格を有する正規職員の採用を平成5年以降行っておらず、御質問にございますように、現在、図書館で勤務する司書41名のうち、正規職員は3名となっている状況でございます。 今後とも、図書館職員の専門性を確保し、図書館サービスの維持向上を図っていくためには、司書資格を有する正規職員の充実を検討する必要があると存じておりますことから、今後の管理運営方法を含めた図書館全体の在り方を踏まえた上で、司書資格を有する正規職員の採用につきまして検討してまいりたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 教育長 藤本泰雄君。 ◎教育長(藤本泰雄君) 図書館分室の充実に関し、図書の充実だけでなく、同時に、専用の図書室として整備していく考えについてであります。 図書館分室は、現在、46のコミュニティセンター内に設置しておりますが、このうち専用の図書室として設置している分室は26分室でございまして、その他の分室は、会議室や事務所に併設しているほか、オープンスペースに書架を設置しているものでございます。 こうした中、昨年度からは、コミュニティセンターの協力をいただきながら、図書の充実とともに、分室の表示の明確化や利用案内の整備など、利用環境の改善に取り組んでいるところでございます。建物の構造や配置の関係などから、全ての分室を図書室として整備することは困難と存じますが、できるだけ分室としての利用に支障が生じないよう、今後とも各コミュニティ協議会の御意見も伺いながら、引き続き、改善に取り組んでまいりたいと存じます。 項目2の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。 ◆34番(植田真紀君) 議長──34番。 ○議長(井上孝志君) 34番 植田真紀君。 ◆34番(植田真紀君) 再質問をさせていただきます。 (1)の②です。 基本計画の作成について、1年前に質問したときは、計画策定の検討をしていくとの答弁でした。しかし、先ほどの答弁では、計画策定の必要性も含め検討するということで、本来であれば、この1年間でそれをしておかなければいけなかったと思いますが、策定についての考えを再度お聞かせください。 ○議長(井上孝志君) 答弁について理事者側の調整のため、しばらくお待ち願います。──ただいまの34番議員の再質問に対する当局の答弁を求めます。教育長 藤本泰雄君。 ◎教育長(藤本泰雄君) 34番植田議員の再質問にお答え申し上げます。 図書館サービスの充実のうち、図書館利用に障害のある人へのサービスに関し、読書バリアフリー法に基づく本市の基本計画は、どのように策定していくのかについてであります。 読書バリアフリー法に基づく本市計画の策定につきましては、国の基本計画を踏まえた施策も考え、本市として取り組むべき事項や課題を確認した上で、計画策定の必要性も含め検討してまいりたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 次に、項目3について発言を許します。 ◆34番(植田真紀君) 項目の3番目、外郭団体の経営改善についてです。 情報公開条例第22条の規定に基づき、本市が25%以上出資している団体の事業内容・決算・予算をはじめとした経営状況が6月定例会・9月定例会の議会に報告されています。 以前も取り上げました高松観光コンベンション・ビューローへの補助金ですが、2019年度決算では、1億4,796万3,275円の事業活動収入のうち、本市及び県などからの補助金収入が1億1,580万4,809円で、約78.3%を占めています。80%を超えていたときと比較すると、多少の減額はありますが、それでも収入の大半を補助金に頼らないといけないのは、外郭団体の経営としては問題です。 補助金等の見直し方針にある、補助金等の額が事業費の2分の1を超えないとの基準にも沿っていない上、経済の活性化を成果に上げているにもかかわらず、賛助会員からの会費収入は686万5,000円まで減っています。高松観光コンベンション・ビューローについて、補助金収入に頼らず、会費及び事業収入などの財源の増に向けた取組を促す考えについてお聞かせください。 議会への報告団体以外の出資団体は30ほどありますが、出資率が低いという理由で、財務状況、事業内容などの情報公開がなされていません。 以前、本市が出資した株式会社 ファイブアローズは、決算で債務超過額1億4,000万円、債務総額約1億8,900万円と多額の負債を抱えていた上、本市に対する未払いが1,340万円ある中、経営基盤強化の支援ということで、本市と県がそれぞれ1,000万円の、計2,000万円を出資するという補正予算がなされました。しかし、議会に対して財務状況が分かる資料の提出はなく、市民からも税金で出資することに疑問の声がありました。 情報公開の推進に努めることを規定している情報公開条例第20条に基づき、報告団体及び、それ以外の出資団体の財務状況・事業内容について、ホームページなどで情報公開を行うことについてお考えをお聞かせください。 ○議長(井上孝志君) ただいまの項目3に対する当局の答弁を求めます。創造都市推進局長 長井一喜君。 ◎創造都市推進局長(長井一喜君) 外郭団体の経営改善のうち、高松観光コンベンション・ビューローについて、補助金収入に頼らず、会費及び事業収入など、財源の増に向けた取組を促す考えについてでございますが、同団体では、これまでも職員配置の適正化による人件費の削減や事業内容の見直しなど、歳出の抑制に努めてきたところでございます。 一方、歳入につきましては、自主財源の増に向け、様々な自主事業の推進に取り組んでいるところでございますが、御指摘のとおり、依然として財源の大部分を本市や県からの補助金が占めている状況でございます。 現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、全国大会の中止など、MICE振興事業にも多大な影響が生じているところではございますが、コロナ終息後には、新たな生活様式によるMICEや観光の在り方も踏まえ、本市ならではのアフターコンベンションの提案やインセンティブツアーの造成をはじめ、着地型旅行商品ぷち旅プランの拡充、賛助会員の加入促進など、自主財源の増に向けた効果的な取組を促し、経営改善が図られるよう、働きかけてまいりたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 総務局長 網本哲郎君。 ◎総務局長(網本哲郎君) 報告団体及び、それ以外の出資団体の財務状況・事業内容について、ホームページなどで情報公開を行う考えについてでございますが、外郭団体は、当該団体の基本財産、資本金等に占める市の出資金、または出捐金の割合が25%以上であり、かつその割合が最も大きい法人でございまして、行政機能を補完・代替する役割を担ってきたところでございます。 外郭団体の財務状況や事業内容については、それぞれの団体において、ホームページ等で公開しているほか、地方自治法の規定に基づき、経営状況報告書を市議会に報告させていただいているところでございます。 また、出資金等の割合が25%未満の団体につきましても、財務状況等に関する書類等により、本市において、その状況を把握しておりますほか、出資団体を含む財政援助団体等に対する監査を適宜行っておりますが、全ての団体がホームページ等で広く市民に情報を公開している状況にはございません。 出資金の金額や割合にかかわらず、出資団体に対する市の指導管理責任を果たすことは重要であると存じますが、全ての出資団体について、一律に本市ホームページ等で情報公開するためには、公開の根拠や範囲等、種々の課題がございますことから、今後、それらを整理した上で、情報公開への対応を検討してまいりたいと存じます。 項目3の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 持ち時間を消費いたしましたので、以上で34番議員の一般質問は終わりました。 次に、39番議員の発言を許します。39番 岡田まなみ君。  〔39番(岡田まなみ君)登壇〕 ◆39番(岡田まなみ君) 日本共産党議員団の岡田まなみです。一般質問をさせていただきます。 初めに、大項目の1、特別定額給付金事業について。 8月24日にコロナ禍で苦しむ国民に1人10万円給付する特別定額給付金の申請が終了しました。 同事業に関連して3点質問いたします。 1、特別定額給付金の給付が大幅に遅れたことに関連して。 新型コロナウイルス感染症の長引く影響を受け、感染への恐怖、暮らしや営業が困難を極めていました。政府は、4月7日に閣議決定をしていた収入減世帯の一部への30万円の支給に対し、対象が狭く、困っている人たちに分断と不公平を持ち込む内容との批判が続出したため、一律で10万円を給付する方針に転換、経済対策と補正予算案を修正し、4月20日閣議決定、30日、国会において可決・成立しました。 閣議決定をした20日に、国は、各自治体に感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うとする特別定額給付金(仮称)事業の実施について、通知を出し、本市においても事務が開始されました。25日頃、当局から、過去の全国民に1万2,000円給付した事務を職員が行い大変だったので、他者へ委託をしたい。5月の臨時議会後にプロポーザル方式の入札で委託業者を決定し、給付金は早くても6月下旬から7月初旬になる旨の説明がありました。これではあまりに遅過ぎると思っていたところ、30日に入札方式でなくても委託業者を選定してよいとの国からの事務連絡があったので、給付が1か月ほど早くできるようになったとの連絡があり安心しました。 市は、5月1日、凸版印刷株式会社高松営業所と契約書を交わしました。党市議団は、5月1日、市長に、事業の成立の過程や趣旨に鑑み、郵送分については5月中に給付を完了すること、ホームページから申請書をダウンロードできるなどして、一刻も早く給付金を必要とされる方に応えるよう申入れを行いました。 当局からは、郵送分については、5月22日に一斉発送し、29日から給付。申請書のダウンロード等は、かえって事務が混乱するのでしないが、できるだけ迅速に給付したい旨のお話がありました。 しかし、実際には、5月22日の一斉発送はできず、かなり遅れた地域がありました。また、申請には郵送と、政府が早く受け取れると推奨したオンライン申請がありましたが、本市を含め、郵送申請に一本化する自治体が相次ぎました。 その主な理由は、5月の連休明けに、マイナンバーカード取得時の暗証番号の再設定手続が全国から集中し、システムの処理能力を超え、給付が遅れてしまったことと、申請内容を住民基本台帳と照らし合わせる確認作業に人と時間をつぎ込み、混乱と給付の遅延をもたらしたことによるものです。 本市は6月8日現在で給付済が5.1%と県内市町の中で給付が極端に遅れていました。ちなみに、松山市は、6月11日現在で96%が給付を完了しています。この事業は、コロナ禍で苦しむ42万市民にいかに早く給付金を届けられるか、市がいまだかつて経験したことのない事業でありました。 市は、途中から端末や配置人数を増やしていますが、多くの自治体が、どうしたら市民・町民に一刻も早く給付金を届けられるのかを真正面から受け止めて、真剣な議論が尽くされたと思います。 そこで、5月末時点で、非常事態が起こっているとの危機意識を持って、市長以下幹部職員で構成する本部会議で真剣に議論し、他都市の進んでいる事例にも学び、英知を結集して、あらゆる手だてを尽くすべきであったと考えるがどうか。また、早期に中止したオンライン申請について、現時点でどのように考えているのか、伺います。 市やコールセンターには、逼迫した市民から給付金を一刻も早く振り込んでほしいとの電話が殺到しました。市は、給付が遅れた理由について、一度に16万通、8割も返ってくるとは想定外だった。端末が1週間に3万件しか処理能力がなかったと、まるで人ごとです。コロナ禍で苦しむ市民の窮状をどこまで理解していたのでしょうか。また、私どもが直ちに給付金を必要としている人に応えるべきだと繰り返し申入れしても、市は聞く耳を持ちませんでした。 そこで、想定以上の申請が提出され、給付に遅れが生じたのは、コロナ禍で苦しむ市民の窮状に真正面から向き合い、真摯に応えようとしていなかったからではないか。また、給付金の成立過程や趣旨に鑑み、繰り返し申し入れていた申請書のダウンロードや公的機関等への配置など、直ちに給付金を必要としている人に応えるべきではなかったのか、伺います。 党市議団が、週3万4,000件しか処理能力がないのは他都市と比べて少ない、何が原因なのかとただした際に、市は100人、200人のマンパワーが必要。過去のプレミアム商品券等が滞りなく進んだので、業務委託を選択した。当初の想定が甘く、多くの申請書が提出され、事務処理が滞る要因となったと答えています。しかし、プレミアム商品券は、対象世帯の3分の1程度にしか利用されず、換金実績が思わしくなかったため、市は委託料──委託業者のうち1社は凸版印刷ですが、約4,200万円の減額をしています。これで滞りなく進んだと言えるのでしょうか。委託や再委託を行うことで、事業者の責任の所在が曖昧になります。市は、いまだかつて経験したことのない事業を民間業者に業務のほとんどを委託しており、市の責任も曖昧です。 そこで、特別定額給付金事業を業務委託したことについて、どのように考え、責任の所在はどこにあるのか、お伺いします。 7月末時点で未申請世帯数は約4,000世帯とのことでしたが、8月6日にはこれらの世帯に対して再度申請書等を送付し、障害者や高齢者、生活保護世帯に関しては、関係課と連携を図り、申請の勧奨をした上で、申請がない場合は、給付金を辞退したものとみなすとのことでした。 大阪府八尾市では、給付金を申請していない世帯を訪問し、申請を促しました。訪問してみると、手続の方法が分からず、誰にも聞けなかった人、集合住宅に住む中年男性で、ひきこもりになっていたり、家がごみであふれていたりして、面倒くさいと断られた方も多かったとのことですが、訪問で把握した住民の情報を基に、民生委員や地域包括支援センターなどと連携し、今後の支援につなげていくとしています。 そこで、8月24日までの未申請世帯と人数、及び申請書の再送付や福祉関係機関との連携により、申請となった世帯数。また、特別定額給付金の未申請世帯について、今後、訪問などを実施し、場合によって支援につなげる考えをお聞きします。 国は、当初、4月27日時点で、住民基本台帳に登録している住民に対して給付するとしていましたが、途中から単身世帯の方が死亡した場合には、振込口座の関係から給付できない旨を示しています。本市のように、申請書が遅く届いた住民には、不利益が生じます。自治体によっては、相続人などに給付しているところもあります。 そこで、申請前に死亡した単身世帯に対して、本市の判断で相続人に給付する考えを伺います。 次に、特別定額給付金業務委託について。 ところで、本市の特別定額給付金事業の業務委託が、国の持続化給付金の業務委託とよく似た構図となっています。 持続化給付金の事務事業は、経産省がサービスデザイン推進協議会に769億円で委託し、同協議会は749億円で電通に再委託、さらに、電通は電通ライブなど、子会社に計645.1億円で事業を外注し、事実上の全部再委託です。この結果、電通には104億円が残ることになりますが、電通本体で実際にどんな業務をしているかは不明です。 2006年に財務大臣が各省庁に出した通達、公共調達の適正化については、全部再委託を禁止し、事業の一部を再委託する場合は、再委託を行う業務の範囲と必要性、契約金額を記載した書面を契約相手に提出させ、各省庁が審査を経て承認するよう求めています。 市は、当初、プロポーザル方式の競争入札をすると言いながら、4月28日、東京に本社がある凸版印刷株式会社──高松市に営業所はあるものの、事務作業等は事実上広島、1社のみに見積徴収を行いました。市長は、5月1日、給付費427億円、事務費約7億4,900万円、うち委託料6億円を専決処分し、凸版印刷と給付金事務を随意契約、契約金は3億8,681万5,000円です。同社への委託内容は、1、コールセンター、2、事務処理センター、3、システム構築・運用、4、申請書、決定通知書の印刷・封入・発送、5、マイナポータル申込みとの連携・対応です。同社は、さらに5月1日付で5社に再委託、1社に再々委託をしており、委託先は福岡県や東京都など、全てが県外業者です。市は、凸版印刷について、市内の業者と言っていますが、本店が東京ならば、法人税等の支払い先は東京都になり、実質的に市内の業者とは言えません。 また、本市の給付金が大幅に遅れた理由は、オンライン申請で混乱が生じたことと、大量に処理できるシステムが構築できなかったことによるもので、凸版印刷が主で行った業務は、どちらもかなり失敗だったと言えます。委託業者は違いますが、福岡市も主要な部分を委託して事務処理を進めましたが、福岡市も本市同様、給付がかなり遅れたそうです。 私が凸版印刷との契約金の根拠を示すよう求めたところ、見積書が根拠となる数字と回答されていますが、そのようなことが通るのでしょうか。また、同社が5月1日、6社へ再委託等したことについて、事前に準備されていたのではないか、また、再委託先等への支払い額は幾らかとただしましたが、5月1日付の理由は不明、契約金額も不明とのことでした。 ちなみに、福岡市がパソナに委託したときの詳しい見積りの根拠となる金額、パソナが8社へ再委託した契約金額等について、福岡市は同市党議員団のヒアリングに答えており、その中でパソナの監督責任者の日当が7万円であることも明らかになりました。 本市の事業についても、契約金額不明は通らず、流れは明らかにし、それが適正だったのか、調査委員会を設けて検証すべきと考えます。うやむやにすることは許されません。 そこで、凸版印刷株式会社が主で行った業務を、この時点でどのように総括しているのか。また、本市に営業所はあるものの本店が東京、主たる事務作業等は広島県、再委託先等も全て県外の業者が、市内の業者と言えるのか。また、凸版印刷株式会社との契約金3億8,681万5,000円の根拠。また、凸版印刷株式会社が5月1日、5社へ再委託、1社へ再々委託したことについて、事前に準備されていたのか。また、再委託先等への支払額は幾らか。また、再委託する場合は了承が必要だが、どのような審査をしたのか、以上、公金の流れを明らかにすべきと考えます。 さらに、担当課・専門家・市民代表で構成する独立した調査委員会を設定して、事業内容とお金の流れが適正であったのか、市民と議会に対し検証結果を明らかにすべきと考え伺います。 次に、地域経済活性化の観点から。 先日、市内の印刷業者の方が、市に印刷の仕事を申し込んでいるが、10万円の仕事でも、もらうのが大変と嘆いていました。一方で、10年間の市の印刷システム関係業務を見ますと、凸版印刷株式会社とそのグループ会社に契約金ベースで約18億円余の税金が投入されています。これが真に市内業者でしたら、雇用も増え、どれだけ地域経済に貢献することができるでしょうか。市は常に地元業者を大事にして、意識的に育てることが求められます。 そこで、今回の給付金の業務委託を教訓にして、地域経済の活性化や意識的に地元業者を育てる観点から、印刷システム関係の仕事を分割して、市内中小零細業者にできるだけ発注するようにすべきと考え、伺います。 大項目1の質問は、以上です。 ○議長(井上孝志君) ただいまの39番議員の一般質問の項目1に対する当局の答弁を求めます。市長 大西秀人君。 ◎市長(大西秀人君) 39番岡田議員の御質問にお答え申し上げます。 特別定額給付金事業のうち、特別定額給付金の給付が大幅に遅れたことに関し、5月末時点で、非常事態が起こっているとの危機意識を持って、市長以下幹部職員で構成する本部会議で真剣に議論し、他都市の進んでいる事例にも学び、英知を結集して、あらゆる手だてを尽くすべきであったと考えるがどうかについてであります。 特別定額給付金事業につきましては、事業開始前から大変重要なものであるものとして捉え、私が本部長を務める新型コロナウイルス感染症対策本部の直下に専任職員10名を要する給付担当を設置し、迅速かつ的確な給付に努めてきたところでございます。 御質問の本部会議での議論につきましては、実施をいたしておりませんが、給付金担当は、本部会議直下の組織でございますことから、給付担当から私が適宜、本市や他都市の状況報告等を受け、その都度、処理体制の立て直しや強化等を指示・命令してまいったところでございます。 次に、早期に中止したオンライン申請について、現時点でどのように考えているのかについてであります。 特別定額給付金のオンライン申請につきましては、5月1日に受付を開始し、同月11日から給付を開始したところでございまして、早期に給付を開始するという目標は達成できたものと存じます。 一方で、給付金を給付する環境を早期に整えなければならない状況下でございましたことから、システム上受付がデジタルであったものの、照合・審査等の処理は、職員の手作業で行わなければならなかったことなど、課題が多く、郵送申請の事務と重複することで、かえって給付が滞りかねないことから、郵送申請の開始とともに、これを中止としたところでございます。 次に、想定以上の申請が提出され、給付に遅れが生じたのは、コロナ禍で苦しむ市民の窮状に真正面から向き合い、真摯に応えようとしていなかったからではないのかについてであります。 給付金につきましては、事前に想定した処理能力の算定等の誤りから、給付に遅れを生じ、市民の皆様に御迷惑をおかけすることになり、その点は率直におわびを申し上げます。 しかしながら、当初に若干混乱はしたものの、早急に処理体制等の見直しを行い、委託業者・職員が休日返上で対応に当たるなど、市民の皆様に少しでも早く給付できるよう、真摯に向き合い、取り組んでまいったところでございます。 次に、給付金の成立過程や趣旨に鑑み、繰り返し申し入れていた申請書のダウンロードや公的機関等への配置など、直ちに給付金を必要としている人に応えるべきではなかったのかについてであります。 申請書のダウンロードや本庁舎等への申請書の配置につきましては、申請書を容易に入手できる一方で、受給権者でない方から申請書が提出されるおそれや、他の自治体でも問題になっておりましたが、不備の申請書の増加につながるおそれがあるなど、審査に時間を要し、かえって迅速かつ的確な給付を妨げ、直ちに給付金を必要としている人たちに給付できない状況となる可能性もございましたことから、実施をしなかったものでございます。 次に、特別定額給付金事業を業務委託したことについて、どのように考え、責任の所在はどこにあるのかについてであります。 特別定額給付金の給付につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に留意しつつ、迅速に市民の皆様へ給付する必要がございましたことから、これまでに委託により実施した同様の給付事務が、合理的かつ的確に処理できたこと等を踏まえ、このたびも民間事業者に対して業務の一部を委託することが適切と判断したものでございまして、業務委託自体は妥当であったものと認識をいたしております。 また、民間事業所への委託に伴う責任の所在につきましては、受託者は契約書に規定する内容に関して責任を負うものでございますが、最終的な責任は、事業の実施主体である本市にあるものと存じます。 ○議長(井上孝志君) 総務局長 網本哲郎君。 ◎総務局長(網本哲郎君) 8月24日までの未申請世帯と人数でございますが、特別定額給付金の事務は、継続中のため、未申請世帯数等について精査をしているところでございますが、現時点における未申請世帯数と人数は841世帯、930人となっております。 また、申請書の再送付や福祉関係機関との連携により、申請となった世帯数でございますが、8月6日時点において、未申請であった世帯に対して、申請の勧奨用通知を発送した3,413世帯のうち、2,586世帯から申請がなされたところでございます。 次に、特別定額給付金の未申請世帯について、今後、訪問などを実施し、場合によって支援につなげる考えでございますが、特別定額給付金につきましては、8月24日をもって申請期限を迎えておりますことや、給付を辞退することを理由に申請しなかった方もいらっしゃいますことから、未申請世帯に対する訪問を実施する考えはございません。 ○議長(井上孝志君) 市長 大西秀人君。 ◎市長(大西秀人君) 申請前に死亡した単身世帯に対して、本市の判断で相続人に給付する考えについてであります。 特別定額給付金の申請前に死亡した単身世帯の取扱いにつきましては、実務上の給付事務は発生しないと国の事業実施要領に示されております。 本市といたしましても、この要領に沿って事業を実施することとしておりますことから、市独自での対応につきましては、現在のところ考えておりません。 次に、特別定額給付金業務委託のうち、凸版印刷株式会社が主に行った業務を、現時点でどのように総括しているのかについてであります。 今回の委託業務の総括につきましては、現時点では、給付事業が継続中でございますことから、給付事業の完了後に事業全体の検証・分析を実施し、今後の同様の給付事務等に生かしてまいりたいと存じます。 次に、本市に営業所はあるものの本店が東京、主たる事務作業等は広島県、再委託先も全て県外の業者が、市内の業者と言えるのかについてであります。 本市では、本社など、主たる事務所や支店など、従たる事務所が市内にあるかどうかによりまして、業者を市内業者、準市内業者及び市外業者に区分いたしております。 今回、事業を委託した御質問の業者につきましては、準市内業者に該当するものであると存じます。 次に、凸版印刷株式会社との契約金3億8,681万5,000円の根拠についてであります。 本市では、事業の実施に際し、見積書を徴収をいたしておりまして、契約金の内訳はそれぞれ見積書に記載されているとおりでございます。 次に、凸版印刷株式会社が5月1日、5社へ再委託、1社へ再々委託したことについて、事前に準備されていたのか、また、再委託先等への支払額は幾らかについてであります。 本事業におけます再委託の実施につきましては、契約上、委託事業者側から委託先名、委託する理由、処理する内容等を明確にした承認申請書を提出し、発注者である本市の了承を得ることといたしております。 ただし、御質問の再委託及び再々委託先に対して、事前に準備していたかどうかや、再委託等に係る金額に関しては、提出を求めておりませんことから、存じ上げておりません。 次に、再委託する場合は了承が必要だが、どのような審査をしたのかについてであります。 先ほども申し上げましたとおり、本事業の契約上、委託事業者側から委託先名、委託する理由、委託する内容等を明確にした承認申請書を発注者である本市に提出させることといたしております。再委託の了承につきましては、提出された承認申請書の内容を適切に審査し、了承したものでございます。 次に、担当課・専門家・市民代表で構成する独立した調査委員会を設定して、事業内容とお金の流れが適正であったか、市民と議会に対し、検証結果を明らかにすべきと考えるがどうかについてであります。 特別定額給付金業務の一部を委託した本業務委託契約につきましては、地方自治法施行令や本市の契約規則等に基づき、適正に業務委託契約されたものでございますことから、御質問の調査委員会を設定しての対応につきましては、考えておりません。
    ○議長(井上孝志君) 総務局長 網本哲郎君。 ◎総務局長(網本哲郎君) 地域経済活性化の観点からに関し、今回の給付金の業務委託を教訓にして、地域経済の活性化や意識的に地元業者を育てる観点から、印刷システム関係の仕事を分割して、市内中小零細業者にできるだけ発注するようにすべきと考えるがどうかについてでございますが、本市におきましては、これまでも法令等に基づき、品質を確保するための業務委託の仕様設定や、競争入札の原理に基づく業者選定方法等について、地元業者の参加を含め、適切に対応してきたところでございます。 今回のような印刷データを事業者に提供し、大量に印刷する業務委託につきましては、印刷データの収受の確実性の確保や、迅速かつ正確な納期への対応、委託業務の効率性などを踏まえ、委託内容を分割していないものでございます。 なお、業務委託に関する提案公募の際には、地域経済の活性化等の観点を踏まえ、帳票作成業務における市内業者への発注予定を評価項目として設定するなどしておりますことから、今後とも適切に対応してまいりたいと存じます。 項目1の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。 ◆39番(岡田まなみ君) 議長──39番。 ○議長(井上孝志君) 39番 岡田まなみ君。 ◆39番(岡田まなみ君) 3点再質問させていただきます。 (1)の③についてです。 処理能力の算定に誤りがあったが、少しでも早く給付できるよう真摯に向き合ってきたとのことですが、算定に誤りがあったところが私は問題だと思います。市民一人一人が、いかに給付金を待ち望んでいたか、大多数の市民生活が逼迫していたかということが、この一度に16万通も申請書が返送されてきたことにあらわれています。最初からそこら辺に頭が行かなかったこと自体が問題だと思います。 そこで、再度、想定以上の申請が提出され、給付に遅れが生じたのは、コロナ禍で苦しむ市民の窮状に真正面から向き合い、真摯に応えようとしていなかったからではないかということをお答えください。 それと、1の(2)の④です。 再委託先等への支払い額の提出は求めていないということでありました。2006年の財務大臣の通知──公共調達の適正化については、事業の一部を再委託する場合は、契約金額を記載した書面を契約相手に提出させるとあります。 そこで、再委託先等への支払い額の不明は通らないと考え、再度、凸版印刷株式会社が5月1日、5社へ再委託、1社へ再々委託したことについて、再委託先等への支払額は幾らかお答えください。 こうした、たくさんの不明な点がありますので、⑥について、今後、検証・分析をするということであれば、これら全てが適切であるかどうかを第三者を入れてすべきであると考え、⑥担当課・専門家・市民代表で構成する独立した調査委員会を設定して、事業内容とお金の流れが適正であったか、市民と議会に対し、検証結果を明らかにすべきと考え、再度お尋ねいたします。 ○議長(井上孝志君) 答弁について理事者側の調整のため、しばらくお持ちください。──ただいまの39番議員の再質問に対する当局の答弁を求めます。市長 大西秀人君。 ◎市長(大西秀人君) 39番岡田議員の再質問にお答え申し上げます。 特別定額給付金事業のうち、特別定額給付金の給付が大幅が遅れたことに関し、想定以上の申請が提出され、給付に遅れが生じたのは、コロナ禍で苦しむ市民の窮状に真正面から向き合い、真摯に応えようとしていなかったからではないのかについてであります。 給付金につきましては、事前に想定した処理能力の算定等の誤りから給付に遅れを生じ、市民の皆様に御迷惑をおかけしたことは事実でございまして、その点につきましては率直におわびを申し上げます。 しかしながら、当初に若干混乱はいたしましたものの、早急に委託業者と本市における処理体制等の見直しを行い、休日返上でそれぞれ対応に当たるなど、市民の皆様に少しでも早く給付できるよう真摯に向き合い、努力し、取り組んでまいったところでございます。 次に、特別定額給付金事業のうち、特別定額給付金業務委託に関し、凸版印刷株式会社が5月1日、5社へ再委託、1社へ再々委託したことについて、事前に準備されていたのか、また、再委託先等への支払額は幾らかについてでございます。 本事業における再委託の実施につきましては、契約上、委託事業者側から委託先名、委託する理由、処理する内容等を明確にした承認申請書を提出し、発注者である本市の了承を得ることといたしておりますが、再委託及び再々委託先に関して、それを事前に準備していたかどうかや再委託等に係る金額に関しましては、提出を求めておりませんことから、存じ上げておりません。 次に、特別定額給付金事業のうち、特別定額給付金業務委託に関し、担当課・専門家・市民代表で構成する独立した調査委員会を設定して事業内容とお金の流れが適正であったか、市民と議会に対し、検証結果を明らかにすべきと考えるがどうかについてであります。 特別定額給付金業務の一部を委託した本業務委託契約につきましては、地方自治法施行令や本市の契約規則等に基づき、適正に業務委託契約されたものでありますことから、御質問の調査委員会を設定しての対応につきましては考えておりません。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 次に、項目2について発言を許します。 ◆39番(岡田まなみ君) 大項目の2、教育問題について。 1、GIGAスクール構想について。 コロナ禍の4月、国においてGIGAスクール構想が加速します。児童生徒1人1台端末を今年度中に小学5年生から中学1年生まで整備するとしていたのが、今年度中に全小中学生に整備することとし、家庭への持ち帰りも可能としました。 6月議会でGIGAスクール構想の実現に向けて、児童生徒1人1台端末を整備する予算として約5億4,000万円余を計上し、3分の2を整備、さらに、7月の臨時議会で、国の地方創生臨時交付金を使い、約9億5,000万円の予算を計上し、残り3分の1の整備を行う予定です。 子どものネットリスク教育研究会代表の大谷良光さんは、予算はついたが、秋か冬までに整備はできない。まず、900万台の端末が製造できない。仮に端末が学校に届いても、対応できる人的配置等の予算が少なく、自治体への国庫補助予算のため、整備に地域格差が生じると語っています。 そこで、児童生徒1人1台端末の整備状況をお示しください。 教育現場のICT環境の整備はある程度重要ですが、ICT産業のもうけに公教育が利用されることも懸念されます。経済産業省の研究会による提言では、公教育での活動で得られたビッグデータを民間企業が利用できるようにする環境整備まで求めています。この間、日本全国で定額給付金や雇用調整助成金のオンライン申請が集中し、機能不能状態に陥ったり、データの流出も起こっており、教育現場でも同様のことが起こらないとも限りません。 そこで、校内通信ネットワーク整備が完了したとしても、機能不能状態に陥ったり、データの流失も起こり得ると考えるがどうか。また、民間企業が勝手に個人情報を利用する権利はないが、個人情報が守られる保証はどこにあるのか。また、公教育へのICT産業等企業の参入を一層強め、さらには介入・支配につながることが懸念されるがどうかお答えください。 教育学研究者である法政大学の児美川孝一郎教授は、教育現場のICT環境の整備自体は重要で、個々の子供に合った学習をきちんと保障することも大切だが、教科の学習は全てパソコンやタブレットを使って先端技術で個別最適化すればいいというのは問題ですと指摘しています。 学校教育は、単なる個人としての生徒の自立ではなく、お互いを理解し、共に育つことを目指して、社会の一員として自立することが教育目的となされなければなりません。 そこで、教職員の専門性と、子供たちが共同の学びを進め、人間的な触れ合いを通じて、人格の形成を目指していく学校教育こそ重要であると考えますが、お答えください。 市内の学校は、コロナ禍で3か月休業しました。休業中でも経済的に余裕のある子は塾へ行って補い、そうでない子との学力格差がますます広がっていると教職員からお聞きしました。 6月議会の質疑で、インターネット環境がない本市小中学生の家庭が約15%あるそうですが、子供に向き合うことが困難な家庭への対応については、モバイルルーター等の貸出しや対処の仕方を分かりやすくまとめたマニュアルを作成するとのことでした。 そこで、マニュアル作成の進捗状況、及びマニュアルがあっても慣れないパソコンに向き合い、家庭での支援も得られないと考えられる児童生徒への対応を伺います。 さきの質疑に対する答弁では、家庭でのネット環境維持費・通信料の負担をどうするのかについては、先進的に取り組んでいる他都市の状況も踏まえて、今後、検討するとのことでした。通信料の負担は自治体の裁量、が文部科学省の説明です。要保護世帯等へは、通信費を補助する通知が厚生労働省から出されています。就学援助を利用している保護者からは、教育の一環であるなら、ネットの通信費用については市が負担すべきとの声が上がっています。 そこで、義務教育は無償との観点から、インターネットの通信費用は市が負担すべきと考えるどうか。併せて、要保護世帯・就学援助世帯への通信費は、どのように考えているのか、伺います。 市は、児童生徒1人1台端末導入で、今でも超過密労働で悲鳴が上がっている教師へのさらなる負担は心配ないとのことでした。しかし、現場の教師からは、児童生徒全員に理解させようと思えば、教材づくりや端末の処理に対する問合せなど、教員の負担はさらに増すと言われています。さきの大谷さんは、ICT指導員として各校最低1人を正規職として配置しなければ対応は困難で、今後のICT教育の普及はできないと提言しています。 そこで、学校に最低1人、ICT指導員を正規職員として配置すべきだと考え、伺います。 次に、少人数学級の推進について。 分散登校後、すぐに7時間授業が週3日、夏休みも短縮、子供が学校へ行くのを嫌がりどうしたらよいのか、長期休業直後の分散登校中は、教師が子供にゆったりと接することができ、分からない子供にもじっくり向き合えたが、今はとても無理、この間の保護者や教職員の声です。7時間授業、夏休みの短縮、水泳授業の中止など、子供たちはこれまでにない状況下での学校生活を送っています。カリキュラムの進行が遅れているからと極端な詰め込みは、子供たちの学ぶ意欲をかえって阻害します。夏休み明けに不登校や自殺を考える子供が増えるとお聞きしており、この時期の教育は、子供たちへの配慮が特に必要です。 そこで、夏休み後の子供たちの現状をつかみ、不安に寄り添った支援を行うべきであり、カリキュラムは1年単位で考えるのではなく、義務教育終了までを通して必要不可欠なことを中心に考えていくことが大切だと思いますがどうか、伺います。 このような中、全国知事会・同市長会・同町村会の地方3団体は、7月3日、現在の小中学校の40人学級では、新型コロナウイルス感染症の感染予防ができないとして、萩生田文部科学相に少人数学級の実現を求める新しい時代の学びの環境整備に向けた緊急提言を手渡しました。提言は、公立小中学校の普通教室の平均面積は64平方メートルであり、現在の40人学級では感染症予防のために児童生徒間の十分な距離を確保することが困難と指摘し、少人数学級の実現へ教員の確保がぜひとも必要だと訴えています。 日本共産党の志位和夫委員長が、国会で少人数学級の取組を加速するよう迫ったのに対し、安倍首相は、検討していきたいと答弁しました。 このような中、著名な教育学者・研究者12名がそろって呼びかける少人数学級を求める新署名が7月15日からネット署名として始まりました。呼びかけ人の一人である東京大学教授本田由紀さんは、コロナ禍で休校が3か月に及び、教育格差が一層深刻になっている。苦しい家庭が増え、それが子供の教育に反映している。そうした事態にきめ細かく対応し、家庭の格差を補い、一人一人を大切にするために不可欠なのが少人数学級と語っておられます。 現在、国の予算で35人学級を小学校1・2年生に、県の予算で3・4年生と中学1年生まで実施しています。市としては、今年度約2,800万円の予算で5・6年生に7校実施していますが、これではあまりに少なく、子供の豊かな成長やコロナ禍のことを考えると、少人数学級に最優先に予算を配分すべきと考えます。 そこで、全国知事会・全国市長会・全国町村会の地方3団体による、少人数学級の実現を求める新しい時代の学びの環境整備に向けた緊急提言に対する所見。また、密を避け、家庭の格差を補い、子供たち一人一人を大切にするために、最も有効な施策である少人数学級を、市としては積極的に進めるべきであり、併せて国や県にも働きかける考えを伺います。 大項目2の質問は、以上です。 ○議長(井上孝志君) ただいまの項目2に対する当局の答弁を求めます。教育長 藤本泰雄君。 ◎教育長(藤本泰雄君) 教育問題のうち、GIGAスクール構想に関し、児童生徒1人1台端末の整備状況についてであります。 児童生徒1人1台端末のうち、6月補正予算で措置した3分の2に相当する端末につきましては、2月末の整備完了を目指して、プロポーザル方式により事業者を選定しているところでございます。 また、7月補正予算で措置した残る3分の1に相当する端末につきましても、年度内に購入する予定で、入札等の準備を進めているところでございます。 次に、校内通信ネットワーク整備が完了したとしても、機能不能状態に陥ったり、データの流失も起こり得ると考えるがどうかについてであります。 1人1台端末をインターネットに接続するためのネットワークは、現在、学校で使用しているセンターサーバー方式でデータを管理するTENSネットワークから切り離す方式といたしますことから、通常の使用においては、機能不能状態に陥ったり、成績等の個人データが流失したりする事態は起こらないものと考えております。 次に、民間企業が勝手に個人情報を流用する権利はないが、個人情報が守られる保証はどこにあるのかについてであります。 1人1台端末は、それぞれの端末がインターネットに接続して、クラウド上にある様々なソフトや学習支援ツールを使って授業等に活用していくものでございます。一人一人がアクセスした情報や学習成果物については、他に流用することがないように、情報セキュリティーに関する国際規格の認証を受けた企業の端末を利用することで、セキュリティーの確保に努めてまいりたいと存じます。 次に、公教育へのICT産業等企業の参入を一層強め、さらには介入・支配につながることが懸念されるがどうかについてであります。 現在、進めておりますICT環境の整備及びICT機器の活用につきましては、企業の参入・協力なくして達成できるものではないと考えておりまして、今後とも企業との連携を図って、ICT環境の整備と、その有効活用を図ってまいりたいと存じます。 次に、教職員の専門性と、子供たちが共同の学びを進め、人間的な触れ合いを通じて、人格の形成を目指していく学校教育こそ重要であると考えるがどうかについてであります。 本市の小中学校におきましては、教職員と児童生徒との信頼関係や児童生徒同士のよりよい人間関係を育むとともに、授業においては主体的・対話的で深い学びの実現に向け、ICT機器も活用しながら、自他の考えを伝え合い、学び合うことのできる学習等を行っているところであります。 今後とも、こうした人間的な触れ合いのある学習を通して、人格形成を目的とする学校教育に努めてまいりたいと存じます。 次に、マニュアル作成の進捗状況、及びマニュアルがあっても慣れないパソコンに向き合い、家庭での支援も得られないと考えられる児童生徒の対応についてであります。 現在、オンライン授業の開始に当たって、まず、学校が発信元となってオンライン授業を行うための環境整備や配慮事項、学校と家庭とをつなぐ双方向型の授業構築のための段階的な準備などをまとめた教師用のマニュアルを作成しているところでございます。 今後、さらに児童生徒用のマニュアル作成にも取り組むとともに、学校でも様々な場面でオンライン授業を行い、まずは、教師も児童生徒も慣れることから始めたいと存じます。 次に、義務教育は無償との観点から、インターネットの通信費用は市が負担すべきと考えるがどうか。併せて、要保護世帯・就学援助世帯への通信費は、どのように考えているのかについてであります。 臨時休業となった際の家庭でのオンライン授業での通信費につきましては、現在のところ、家庭の負担を想定しているところでございます。 また、要保護世帯や就学援助世帯の通信費については、インターネット環境の有無にかかわらず、通信費を市が負担するモバイルルーターの貸出しを考えておりますが、国の方針や他都市の状況を調査し、検討してまいりたいと存じます。 次に、学校に最低1人、ICT指導員を正規職員として配置する考えについてであります。 1人1台端末等ICT機器の本格的な運用に当たって、支援等に当たる人員を確保することは有効と存じておりますが、各学校に正規職員として指導員を配置することは、厳しい財政状況の中、困難と存じております。 教育委員会といたしましては、教員のICT活用を支援するため、現在、希望する小中学校に配置しておりますスクール・サポート・スタッフを活用し、必要に応じてICTに係る支援を行えるよう、努めてまいりたいと存じます。 次に、少人数学級の推進のうち、夏休み後の子供たちの現状をつかみ、不安に寄り添った支援を行うべきと考えるがどうかについてであります。 新型コロナウイルス感染症対策のため、短い夏季休業など、例年にない生活が続いている児童生徒の心身の健康状態は様々であり、不安定な状況もあると認識いたしております。そうしたことから、夏季休業を短縮した期間につきましては、児童生徒の負担も考慮し、1日につき5単位時間の授業としたところでございます。 また、その際に各学校では、学級担任等が児童生徒の心身の健康状態を丁寧に観察・把握し、支援することに努めており、必要に応じてスクールカウンセラーなどの活用を進めるとともに、関係機関との連携も図っているところであり、今後とも、児童生徒や保護者の不安に寄り添った支援を行ってまいりたいと存じます。 次に、カリキュラムは1年単位で考えるのではなく、義務教育終了までを通して必要不可欠なことを中心に考えていくことが大切だと思うがどうかについてであります。 最終学年以外の児童生徒について、学習内容を次学年、または次々学年に移して教育課程を編成することを可とする国の通知につきましては承知いたしております。 本市では、教科の学習、道徳や特別活動、総合的な学習の時間なども含めた授業時数の回復について、夏季休業日を短縮するとともに、1日当たりの授業時数を1時間増加する日を週3日設定し、学校や教育委員会が行う行事の精選なども行っているところでございます。 現在の状況におきましては、臨時休業で失われた授業時数を確保できる見通しであり、年度内での回復が図られるものと判断いたしております。 ○議長(井上孝志君) 市長 大西秀人君。 ◎市長(大西秀人君) 全国知事会・全国市長会・全国町村会の地方3団体による、少人数学級の実現を求める新しい時代の学びの環境整備に向けた緊急提言に対する所見についてであります。 この提言は、新しい時代の学びの環境整備に向け、現在の40人学級では感染症予防のために、児童生徒間の十分な距離を確保することが困難であり、その対応が学校現場において大きな課題となっていることを踏まえ、国に対し少人数学級編制を可能とする教員の確保などを求めているものでございます。 私は、本年6月に、新型コロナウイルス感染症への対応を行っている五つの学校を訪問し、授業等を視察して参りました。その際の状況から考えますと、一人一人を大切にした教育の充実はもとより、持続的に児童生徒の教育を受ける権利を保障するためには、学校における感染及び、その拡大のリスクを可能な限り低減させることができる少人数学級の推進が必要であると存じておりまして、今後、国において十分に議論され、提言の内容が実現されることを期待しているところでございます。 ○議長(井上孝志君) 教育長 藤本泰雄君。 ◎教育長(藤本泰雄君) 密を避け、家庭の格差を補い、子供たち一人一人を大切にするために、最も有効な施策である少人数学級を、市としては積極的に進めるべきであり、併せて国や県にも働きかける考えについてであります。 本市におきましては、これまで国や県による35人以下学級編制の対象学年である小学校1年から4年及び中学校1年に加え、小学校高学年においても少人数学級編制の実施に努めているところでありますが、学級編制基準の緩和や、それに伴う教員の増員につきましては、本来、国や県が行うべきものでありますことから、少人数によるきめ細かな指導体制の整備につきまして、引き続き、国や県に要望してまいりたいと存じます。 項目2の答弁は、以上でございます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。 ◆39番(岡田まなみ君) 議長──39番。 ○議長(井上孝志君) 39番 岡田まなみ君。 ◆39番(岡田まなみ君) 2点、再質問させていただきます。 (1)の⑦です。 要保護世帯・就学援助世帯の通信費は、他都市の状況を見て検討していくということでしたが、厚生労働省から通信費を補助するということで通知が出されているはずです。市としても率先して補助すべきと考え、⑦の要保護世帯・就学援助世帯への通信費は、どのように考えているのかを再度伺います。 それと、④ですが、先ほどの答弁では、学級編制基準や教員等の配置のことは、本来県がすべきということでありますが、市として積極的に進めることを求めております。 そこで、④密を避け、家庭の格差を補い、子供たち一人一人を大切にするために、最も有効な施策である少人数学級を、市としては積極的に進めるべきであるということについて、再度お答えください。 以上です。 ○議長(井上孝志君) 答弁について理事者側の調整のため、しばらくお待ちください。──ただいまの39番議員の再質問に対する当局の答弁を求めます。教育長 藤本泰雄君。 ◎教育長(藤本泰雄君) 39番岡田議員の再質問にお答え申し上げます。 教育問題のうち、GIGAスクール構想に関し、義務教育は無償との観点から、インターネットの通信費用は市が負担すべきものと考えるがどうか。併せて、要保護世帯・就学援助世帯への通信費は、どのように考えているのかについてであります。 臨時休業となった際の家庭でのオンライン授業での通信費につきましては、現在のところ、家庭の負担を想定しているところではございますが、要保護世帯や就学援助世帯の通信費については、インターネット環境の有無にかかわらず、通信費を市が負担するモバイルルーターの貸出しを考えており、今後、さらに国の方針や他都市の状況を精査し、検討してまいりたいと存じます。 教育問題のうち、少人数学級の推進に関し、密を避け、家庭の格差を補い、子供たち一人一人を大切にするために、最も有効な施策である少人数学級を、市としては積極的に進めるべきであり、併せて国や県にも働きかける考えについてであります。 本市におきましては、これまで国や県による35人以下学級編制の対象学年である小学校1年から4年及び中学校1年に加え、小学校高学年においても少人数学級編制の実施に努めているところでありますが、学級編制基準の緩和や、それに伴う教員の増員につきましては、本来、市が行うべきものではなく、国や県が行うべきものでありますことから、少人数によるきめ細かな指導体制の整備につきまして、引き続き、国や県に要望してまいりたいと存じます。 ○議長(井上孝志君) 以上で当局の答弁は終わりました。 これで39番議員の一般質問は終わりました。 お諮りいたします。 本日の会議は、これで延会したいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(井上孝志君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議は、これで延会することに決定いたしました。 なお、明9月15日の継続市議会は、午前10時に会議を開きます。 本日は、これにて延会いたします。      午後3時30分 延会  ─────────────────────────────────────────地方自治法第123条第2項による署名者          議      長          議      員          議      員...